119B070|第119回 歯科医師国家試験 過去問
8 歳の女児。受け口を主訴として来院した。切端咬合位をとることができない。 初診時の顔面写真(別冊No. 25A)、口腔内写真(別冊No. 25B)及びエックス線画像 (別冊No. 25C)を別に示す。セファロ分析の結果を図に示す。 適切な治療方針はどれか。3 つ選べ。

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正解: b・d・e
正答
b、d、e
この問題のポイント
切端咬合位をとれない反対咬合では機能的な前方誘導だけで解除できない骨格性要因を考えます。この症例の治療目標は、下顎前歯の挺出抑制、下顎骨前方成長の抑制、上顎第一大臼歯の遠心回転です。
解説
成長期の反対咬合では、上顎骨の劣成長、下顎骨の過成長、前歯歯軸、臼歯関係、機能性偏位を分けて診断します。切端咬合位をとれないことは、単純な機能性反対咬合だけではないことを示します。
この症例では下顎の前方成長を抑えつつ、垂直的被蓋と歯列の幅・臼歯の回転を整えます。上顎大臼歯の遠心回転を改善すると歯列弓内のスペースや咬合関係の改善につながります。
画像の確認
実画像A・Bでは前歯部反対咬合、下顎前歯の過萌出傾向、上顎大臼歯の近心回転を伴う骨格性III級の咬合がみられる。セファロ図でも下顎前方位が中心で、上顎前歯はすでに唇側傾斜しているため、下顎前歯の挺出抑制、下顎骨の前方成長抑制、上顎第一大臼歯の遠心回転を目標とする。
選択肢の確認
a.上顎前歯の唇側傾斜
誤り。
上顎前歯の唇側傾斜だけで改善する歯性反対咬合ではなく、骨格・垂直・臼歯関係を含む治療が必要です。
b.下顎前歯の挺出抑制
正答。適切です。
下顎前歯の挺出を抑制し、前歯部被蓋と垂直的咬合関係の悪化を防ぎます。
c.上顎骨の前方成長促進
誤り。
上顎骨の前方成長促進は上顎劣成長が主要因の症例で選びます。この症例の治療方針には含まれません。
d.下顎骨の前方成長抑制
正答。適切です。
成長期に下顎骨の過剰な前方成長を抑えることが治療目標になります。
e.上顎両側第一大臼歯の遠心回転
正答。適切です。
上顎第一大臼歯の遠心回転を改善し、歯列弓と臼歯関係を整えます。
覚えるポイント
- 反対咬合では上顎劣成長・下顎過成長・歯性要因を分けます。
- 切端咬合位がとれるかは機能性偏位の評価に重要です。
- 成長期治療では顎成長と歯列の両方を管理します。