118D083第118回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科放射線学

次の文により82、83 の問いに答えよ。 62 歳の男性。右側顎下部の腫脹と疼痛を主訴として来院した。1 年前から食事 時の腫脹と疼痛を繰り返していたという。同部に硬化した組織を触知する。初診時 の顔貌写真(別冊No. 34A)、エックス線画像(別冊No. 34B)及びCT(別冊No. 34 C)を別に示す。 術後に起こりうるのはどれか。3 つ選べ。

118D083の問題画像
3つ選択
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正解: c・d・e

正答

c、d、e

この問題のポイント

顎下腺摘出術では、舌神経、鼓索神経成分、顔面神経下顎縁枝など周囲神経の損傷に注意します。術後には味覚障害、舌知覚異常、下唇運動障害が起こり得ます。

解説

舌神経は舌前方2/3の一般知覚を伝え、鼓索神経線維は同部の味覚を伝えます。これらが術野近くで障害されると舌知覚異常や味覚障害が生じます。

顔面神経下顎縁枝は下唇周囲の表情筋を支配するため、損傷すると下唇の運動障害や口角の左右差を生じます。

医療安全上のポイント
顎下腺周囲では舌神経、舌下神経、顔面神経下顎縁枝の走行を確認し、牽引・切離による神経障害を避けます。

画像の確認

実画像Cでは大きな唾石が右顎下腺領域にあり、顎下腺摘出では腺周囲を走る舌神経、舌下神経、顔面神経下顎縁枝が手術野に近接する。したがって術後には舌神経障害による味覚障害・舌知覚異常と、下顎縁枝障害による下唇運動障害が起こりうる。

選択肢の確認

a.頰部発汗
誤り。
頰部発汗は耳下腺手術後のFrey症候群でみられ、顎下腺摘出後の代表的合併症ではありません。

b.口腔乾燥
誤り。
片側顎下腺を摘出しても他の大唾液腺・小唾液腺が代償するため、著明な口腔乾燥は通常起こりません。

c.味覚障害
正しい。
鼓索神経由来の味覚線維を含む舌神経周辺が障害されると、舌前方部の味覚障害が起こり得ます。

d.舌知覚異常
正しい。
舌神経損傷により舌前方2/3の知覚異常が起こり得ます。

e.下唇運動障害
正しい。
顔面神経下顎縁枝の損傷により下唇運動障害が起こり得ます。

覚えるポイント

  • 顎下腺摘出では舌神経と顔面神経下顎縁枝に注意します。
  • 舌神経障害は舌知覚異常、鼓索線維障害は味覚障害です。
  • 下顎縁枝障害は下唇運動障害を起こします。

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