118D082|第118回 歯科医師国家試験 過去問
次の文により82、83 の問いに答えよ。 62 歳の男性。右側顎下部の腫脹と疼痛を主訴として来院した。1 年前から食事 時の腫脹と疼痛を繰り返していたという。同部に硬化した組織を触知する。初診時 の顔貌写真(別冊No. 34A)、エックス線画像(別冊No. 34B)及びCT(別冊No. 34 C)を別に示す。 適切な治療法はどれか。1 つ選べ。

解答・解説を見る
正解: c
正答
c
この問題のポイント
食事時に反復する顎下部の腫脹・疼痛は顎下腺唾石症を示唆します。唾石が腺内または腺門部にあり、腺の硬化が進んでいる場合は顎下腺摘出術を選びます。
解説
唾液分泌が増える食事時に症状が増悪するのは、導管閉塞によって唾液がうっ滞するためです。口腔底から摘出できる導管前方の唾石であれば口内法による唾石摘出を検討しますが、腺内・腺門部の唾石や慢性硬化性変化を伴う場合は顎下腺ごと摘出します。
画像の確認
実画像Aでは右側顎下部が外方へ膨隆し、Bでは右下顎下縁付近に大きな類円形の不透過像がみられる。Cではその石灰化物が顎下腺領域の深部に位置しており、導管開口部からの単純摘出が難しい大きさ・部位である。反復する食事時腫脹を伴う顎下腺内唾石に対し、顎下腺摘出術が適する。
選択肢の確認
a.切開排膿術
この条件では適切ではありません。
切開排膿術は膿瘍形成時に行う処置で、慢性閉塞の根本治療にはなりません。
b.唾石摘出術
この条件では適切ではありません。
唾石摘出術は導管前方の触知可能な唾石で適応となりますが、腺内または腺門部病変では不十分です。
c.顎下腺摘出術
正答。適切です。
顎下腺摘出術は腺内・腺門部の唾石や慢性硬化を伴う症例に適切です。
d.舌下腺摘出術
この条件では適切ではありません。
舌下腺摘出術はガマ腫などで行い、顎下腺唾石症の治療ではありません。
e.リンパ節摘出術
この条件では適切ではありません。
リンパ節摘出術はリンパ節病変に対する処置で、本症例の食事時腫脹の原因を治療しません。
覚えるポイント
- 食事時の顎下部痛は唾液流出障害を疑います。
- 導管前方の唾石は口内法、腺内・腺門部では顎下腺摘出を検討します。
- CTで唾石の位置と腺の状態を確認します。