119A054|第119回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床口腔外科学
下顎右側大臼歯部の顎骨骨髄炎を疑う患者の初診時のエックス線画像(別冊 No. 15A)と3 か月後のエックス線画像(別冊No. 15B)を別に示す。 初診時と比較した3 か月後のエックス線画像で新たにみられるのはどれか。1 つ 選べ。

解答・解説を見る
正解: d
正答
d
この問題のポイント
慢性化した顎骨骨髄炎では、壊死骨が周囲の生活骨から分離して腐骨分離を生じます。
解説
顎骨骨髄炎では炎症により骨内血流が障害され、骨組織が壊死します。時間が経過すると、壊死骨と生活骨の境界に肉芽組織が形成され、腐骨が分離して画像上で輪郭が明瞭になります。
初期には骨梁の不明瞭化や透過像、経過とともに硬化、骨膜反応、腐骨形成などがみられます。3か月後に新たに明瞭になる所見として腐骨分離が重要です。
画像の確認
実画像Aでは下顎右側大臼歯部にびまん性の骨硬化と骨梁の乱れがみられる。3か月後のBでは硬化域の中に周囲骨から透過性の境界線で隔てられた不透過性骨片が新たに明瞭となっており、壊死骨が分離する腐骨分離を示す。
選択肢の確認
a.骨硬化
この設問の新規所見ではありません。
骨硬化は慢性骨髄炎でみられますが、初診時から存在することもあり、設問が示す経時的な新規所見は腐骨分離です。
b.骨膜反応
この設問の新規所見ではありません。
骨膜反応は炎症が骨膜へ波及した際にみられますが、3か月後に特徴的に新たに確認する所見としては腐骨分離が優先されます。
c.病的骨折
誤り。
病的骨折は骨破壊が著しい場合に生じる重篤な合併症で、慢性骨髄炎の経過で必ずみられる所見ではありません。
d.腐骨分離
正しい。
壊死骨が周囲の生活骨から境界明瞭に分離する腐骨分離は、骨髄炎の経過に伴って出現します。
e.歯槽頂部骨吸収
誤り。
歯槽頂部骨吸収は歯周炎などでみられ、顎骨骨髄炎の経時的変化を示す中心所見ではありません。
覚えるポイント
- 骨髄炎の慢性化で壊死骨が腐骨となります。
- 腐骨分離は時間経過により境界が明瞭になります。
- 画像は透過像、硬化像、骨膜反応、腐骨を順に確認します。