119A070|第119回 歯科医師国家試験 過去問
68 歳の男性。右側舌縁部の疼痛を主訴として来院した。2 か月前から同症状を 自覚するようになったがそのままにしていたところ、徐々に増悪してきたという。 既往歴に特記事項を認めず、体格は中等度、栄養状態は良好である。画像検査と生 検の結果、扁平上皮癌(T2N0M0)と診断し、全身麻酔下に舌部分切除術と人工真皮 貼付術を施行した。初診時の口腔内写真(別冊No. 22)を別に示す。治療計画を表に 示す。 術後 術後 術後 術後 術後 術後10 日目 手術前日 手術当日 1 日目 2 日目 3~6 日目 7 日目 8~9 日目 退院予定日 舌部分切除術 口腔内 口腔内 処置・治療麻酔科診察 抜糸 人工真皮貼付術 消毒・観察 消毒・観察 検 査 血液検査 血液検査 活 動 制限なし 安静 制限なし 食事・栄養 夕食軽食 欠 食 A B 手術内容 退院説明 説明・教育 術後説明 確認 食事指導 治療計画表中の栄養管理のAとBの組合せで正しいのはどれか。1 つ選べ。

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正解: b
正答
b
この問題のポイント
舌部分切除術後は創部保護と確実な栄養確保のため、初期に経鼻経管栄養を行い、治癒後に経口摂取へ移行します。
解説
舌部分切除直後は疼痛、腫脹、創部出血、食塊操作の低下があり、経口摂取による創部汚染や誤嚥を避ける必要があります。そのため、短期間の栄養管理として経鼻胃管を用いることが適します。
人工真皮貼付部の安定と口腔機能を確認し、抜糸や食事指導の時期に合わせて段階的に経口摂取を再開します。限局した舌部分切除で長期栄養路を要しない患者に、胃瘻や中心静脈栄養を第一選択とはしません。
治療選択のポイント
手術範囲、創部、誤嚥リスク、栄養状態、想定される使用期間から栄養経路を選びます。
画像の確認
実画像では右側舌縁に限局する潰瘍性腫瘤があり、T2N0M0として舌部分切除の対象となる大きさである。術後早期は舌創部を保護しながら必要量を投与できる経鼻経管栄養とし、抜糸後に創部を確認して経口摂取へ移行する日程が表のA・Bに対応する。
選択肢の確認
a.経鼻経管栄養 胃 瘻
誤り。
経鼻経管栄養は適切ですが、限局した手術後に胃瘻へ移行する必要性は低く、回復後は経口摂取を目指します。
b.経鼻経管栄養 経口摂取
正しい。
術後早期は経鼻経管栄養で創部を保護し、治癒と嚥下状態を確認して経口摂取へ移行します。
c.末梢静脈栄養 経口摂取
誤り。
末梢静脈栄養だけでは十分な栄養量を長期間確保しにくく、消化管が使用できる本症例では経腸栄養が優先されます。
d.末梢静脈栄養 経鼻経管栄養
誤り。
末梢静脈栄養から経鼻経管栄養へ遅れて移行するより、術後早期から消化管を利用した経鼻経管栄養が適します。
e.中心静脈栄養 経口摂取
誤り。
中心静脈栄養は消化管を使用できない場合などに検討します。本症例では侵襲の少ない経腸栄養が優先です。
覚えるポイント
- 消化管が使える場合は経腸栄養を優先します。
- 舌部分切除直後は経鼻経管栄養で創部を保護します。
- 回復後は評価と食事指導を行い経口摂取へ移行します。