118D073|第118回 歯科医師国家試験 過去問
55 歳の男性。下顎左側第一大臼歯部の自発痛を主訴として来院した。来院時の 血圧は160/95 mmHg、心拍数は70/分であった。フェリプレシン含有3 %プロピ トカイン塩酸塩1.8 mL で浸潤麻酔後に罹患歯質の除去を行っていたところ、頭痛 と気分不快を訴えた。そのときの生体情報モニタ画面の写真(別冊No. 29)を別に示 す。 まず投与すべき薬剤はどれか。1 つ選べ。

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正解: c
正答
c
この問題のポイント
高血圧患者が歯科治療中に頭痛と気分不快を訴え、モニタで著しい血圧上昇を認める場合は、高血圧緊急症を疑い、降圧薬を選びます。
解説
ニカルジピン塩酸塩はカルシウム拮抗薬で、静脈投与により血圧を調節できます。急激に血圧を下げすぎると脳・冠血流が低下するため、モニタリング下で慎重に使用します。
まず歯科処置を中止し、安静、酸素化、意識・神経症状、胸痛、血圧を評価し、救急要請を検討します。設問は投与薬剤を尋ねているためニカルジピンを選びます。
全身管理上の注意点
強い頭痛、意識障害、胸痛、神経症状を伴う高血圧では臓器障害を疑い、速やかに医科的救急対応へ移行します。
画像の確認
実画像のモニタでは血圧213/126 mmHg、平均血圧155 mmHgと著しい高血圧を示す一方、心拍数90/分、SpO₂ 96%で、心電図にも致死性不整脈は示されていない。頭痛・気分不快を伴う急激な血圧上昇への初期薬として、降圧薬ニカルジピン塩酸塩を選ぶ。
選択肢の確認
a.アドレナリン
誤り。
アドレナリンはアナフィラキシーや心停止で用いますが、血圧をさらに上昇させるため本症例には適しません。
b.エフェドリン塩酸塩
誤り。
エフェドリン塩酸塩は低血圧に用いる昇圧薬で、高血圧時には投与しません。
c.ニカルジピン塩酸塩
正しい。
ニカルジピン塩酸塩は降圧作用をもち、著しい血圧上昇に対する薬剤として適切です。
d.サルブタモール硫酸塩
誤り。
サルブタモール硫酸塩はβ2刺激薬で、気管支喘息の気管支攣縮に用います。
e.スガマデクスナトリウム
誤り。
スガマデクスナトリウムはロクロニウムなどの筋弛緩作用を拮抗する薬剤です。
覚えるポイント
- 高血圧緊急時の選択肢ではニカルジピンを選びます。
- 歯科処置中止、安静、モニタリング、救急要請を優先します。
- 昇圧薬と降圧薬を取り違えないようにします。