118C070|第118回 歯科医師国家試験 過去問
下顎左側臼歯部の咬合時の違和感を主訴として来院した患者のエックス線画像 (別冊No. 29A)、CT(別冊No. 29B)、MRI(別冊No. 29C)及びH-E 染色病理組織 像(別冊No. 29D)を別に示す。 診断名はどれか。1 つ選べ。

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正解: b
正答
b
この問題のポイント
下顎臼歯部の顎骨内病変で、画像と粘液腫様間質の病理像を組み合わせると歯原性粘液腫を考えます。
解説
歯原性粘液腫は歯原性間葉組織由来の良性腫瘍で、下顎臼歯部から下顎枝に好発します。画像では単房性または多房性の透過像を示し、病変内部に細い骨梁が残ることがあります。
病理組織では、疎な粘液腫様間質の中に紡錘形・星芒状細胞が散在します。被膜が明瞭でないことがあり、骨梁間へ浸潤性に広がるため、掻爬だけでは再発に注意が必要です。
画像・病理で見るポイント
透過像の房状構造、残存骨梁、歯根や下顎管との関係を確認し、病理では粘液腫様間質と星芒状細胞を探します。
画像の確認
実画像A・Bでは下顎左側臼歯部に骨梁を残す多房性の透過性病変があり、CではT1低信号、脂肪抑制T2高信号を示している。Dで疎な星芒状・紡錘形細胞が豊富な粘液様間質に分布する像を合わせると歯原性粘液腫に合致し、選択肢bとなる。
選択肢の確認
a.軟骨腫
誤り。軟骨腫は硝子軟骨様組織を形成する腫瘍で、病理像に軟骨小腔内の軟骨細胞を認めます。
b.歯原性粘液腫
正しい。下顎臼歯部に生じる顎骨内病変と、粘液腫様間質に星芒状細胞が散在する病理像は歯原性粘液腫に一致します。
c.単純性骨囊胞
誤り。単純性骨囊胞は上皮性裏装を欠く骨腔で、病理標本に腫瘍性の粘液腫様組織を認めません。
d.歯原性角化囊胞
誤り。歯原性角化囊胞は錯角化重層扁平上皮による特徴的な囊胞壁を示します。
e.石灰化上皮性歯原性腫瘍
誤り。石灰化上皮性歯原性腫瘍では多角形上皮細胞、アミロイド様物質、Liesegang環状石灰化が特徴です。
覚えるポイント
- 歯原性粘液腫は下顎臼歯部に好発します。
- 病理では粘液腫様間質に星芒状・紡錘形細胞が散在します。
- 被膜が不明瞭で再発に注意が必要です。