118B072|第118回 歯科医師国家試験 過去問
基礎歯科医学生理・生化学・薬理
72 歳の男性。塩味を感じにくいことを主訴として来院した。2 年前から自覚し、 徐々に増悪したという。降圧薬を服用している。初診時の口腔内写真(別冊No. 23) を別に示す。 適切な検査はどれか。3 つ選べ。

3つ選択
解答・解説を見る
正解: b・c・d
正答
b、c、d
この問題のポイント
味覚低下では、全身性原因、口腔乾燥、薬剤性、末梢味覚機能を系統的に調べます。
解説
塩味を感じにくい場合は、亜鉛欠乏、貧血、糖尿病、腎・肝疾患などを血液検査で評価します。降圧薬を含む薬剤が味覚や唾液分泌へ影響することもあるため、服薬歴の確認が必要です。
味物質は唾液へ溶けて味蕾へ到達するため、唾液分泌低下は味覚低下の原因になります。濾紙ディスク検査は、基本味の溶液を含ませた濾紙を舌の所定部位へ置き、味質と閾値を評価します。
画像の確認
実画像では、舌背全体に複数の亀裂がみられる一方、限局性の潰瘍や腫瘤はない。この外観だけでは味覚低下の原因を特定できないため、全身要因、唾液分泌量、味質別閾値を調べる血液検査・唾液分泌能検査・濾紙ディスク検査を選ぶ正答b・c・dに対応する。
選択肢の確認
a.生 検
誤り。
生検は腫瘍や特定の粘膜疾患を疑う場合に行います。明らかな病変情報がない味覚低下の基本検査ではありません。
b.血液検査
正しい。
亜鉛、鉄、ビタミン、血糖、腎・肝機能などを調べ、全身性の味覚障害原因を評価します。
c.唾液分泌能検査
正しい。
唾液分泌低下は味物質の溶解・運搬を妨げるため、唾液分泌能検査を行います。
d.濾紙ディスク検査
正しい。
濾紙ディスク検査は舌の部位別に基本味の認知閾値を評価する味覚検査です。
e.ガスクロマトグラフィー検査
誤り。
ガスクロマトグラフィーは口臭原因物質などの分析に用いられます。味覚低下の基本検査ではありません。
覚えるポイント
- 味覚障害では血液検査・唾液検査・味覚検査を組み合わせます。
- 濾紙ディスク検査は部位別の味覚を評価します。
- 薬剤性と口腔乾燥を忘れずに確認します。