118B070|第118回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床歯科補綴学
80 歳の女性。咬合時の下顎全部床義歯の動揺と両側臼歯部粘膜の痛みを主訴と して来院した。旧義歯は2 年前に製作したという。診察の結果、新義歯を製作する こととした。新義歯によって主訴は改善した。来院時の口腔内写真(別冊No. 22A) と新旧義歯の適合試験時の写真(別冊No. 22B)を別に示す。 向上したのはどれか。2 つ選べ。

2つ選択
解答・解説を見る
正解: c・e
正答
c、e
この問題のポイント
全部床義歯の適合試験で基底面の不均一な接触が改善し、咬合時の動揺と粘膜痛が軽減した場合、適合性と支持作用が向上しています。
解説
義歯床基底面が顎堤粘膜へ均等に適合すると、咬合力を広い範囲へ分散でき、局所的な圧痛と義歯の回転・沈下を減らせます。
適合性は義歯床と顎堤粘膜の形態的一致、支持は咬合力により義歯が粘膜方向へ沈下するのに抵抗する作用です。
画像の確認
実画像では、下顎前歯部の根面板が残り、新義歯の適合試験材は旧義歯より床粘膜面へ均等に広がっている。根面板周囲を含む床の適合と粘膜からの支持が向上した所見であり、正答c・eを支える。
選択肢の確認
a.緩圧性
誤り。
緩圧性は特定部位への圧を逃がす性質です。主訴改善の中心は床全体の適合と支持の向上です。
b.受動性
誤り。
受動性は装置が組織へ不必要な力を加えない性質などを表しますが、本問で評価される全部床義歯基底面の主要機能ではありません。
c.適合性
正しい。
新義歯では顎堤粘膜と床基底面の一致が改善し、適合性が向上しています。
d.拮抗作用
誤り。
拮抗作用はクラスプなどで側方力へ抵抗する概念で、全部床義歯の基底面適合改善を表しません。
e.支持作用
正しい。
基底面が広く均等に接触することで咬合力を負担し、義歯の沈下に抵抗する支持作用が向上します。
覚えるポイント
- 適合性は床と粘膜の形態的一致です。
- 支持は義歯の粘膜方向への沈下に抵抗する作用です。
- 圧を広く均等に分散すると疼痛と動揺が減ります。