118A033第118回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

80 歳の女性。下顎歯肉癌切除後に食事がしにくいことを主訴として来院した。 診察の結果、下顎右側は皮弁によって再建され、舌の可動域は制限されていた。初 診時の口腔内写真(別冊No. 9A)と、ある操作を実施した上顎全部床義歯の写真(別 冊No. 9B)を別に示す。 この操作によって改善が期待できる障害はどれか。2 つ選べ。

118A033の問題画像
2つ選択
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正解: a・c

正答

a、c

この問題のポイント

舌の可動域が制限された患者では、上顎義歯の口蓋部を厚くして舌との接触を得やすくする口蓋増高により、嚥下と構音の改善が期待できます。

解説

舌は食塊を口蓋へ押し付け、咽頭へ送り込む役割を担います。また、舌と口蓋の接触は多くの子音の形成に必要です。

口蓋増高装置では、舌が到達しやすい位置まで口蓋面を下げるように形態を調整します。これにより食塊移送と発音時の舌口蓋接触を補助します。

画像の確認

実画像では、無歯顎再建後の口腔に対し、上顎義歯の口蓋面が厚く盛り上げられ舌と接触しやすい形に調整されている。舌接触補助床によって嚥下と構音を改善する正答a・cを支える。

選択肢の確認

a.嚥 下
正しい。
舌と口蓋の接触が改善し、食塊を口腔から咽頭へ送り込む口腔期嚥下を補助します。

b.開 口
誤り。
口蓋増高は開口量を増やす装置ではありません。開口障害には原因に応じた訓練や治療が必要です。

c.構 音
正しい。
舌と口蓋の接触点を得やすくし、舌音を中心とする構音を改善します。

d.審 美
誤り。
外観の回復を主目的とする操作ではなく、口腔機能の補助が中心です。

e.味 覚
誤り。
味覚受容器や味覚神経を回復させる装置ではありません。

覚えるポイント

  • 口蓋増高は舌運動障害を補償します。
  • 改善対象は嚥下と構音です。
  • 形態は実際の舌運動と機能検査に合わせて調整します。

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