117D069第117回 歯科医師国家試験 過去問

歯科医学総合総合問題

76 歳の男性。飲み込みづらいことを主訴として来院した。3 年前に脳梗塞を発 症し、回復期病院でリハビリテーションを行ったが、現在も片麻痺が残存している という。食形態はミキサー食であり、液体にはとろみをつけていないがむせること なく全量を摂取しているという。初診時に行った口腔機能検査では異常値が認めら れなかったため、嚥下造影検査を行うこととした。液体嚥下時の嚥下造影検査の画 像(別冊No. 21)を別に示す。 嚥下時に推奨される代償的アプローチはどれか。1 つ選べ。

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正解: a

正答

a

この問題のポイント

片側性の咽頭機能低下では、嚥下時に頸部を患側へ回旋し、健側の咽頭を通りやすくする代償法を用います。

解説

頸部回旋では、回旋した側の梨状窩が狭くなり、食塊を反対側へ誘導できます。また、上部食道括約筋の開大を助けることがあります。

嚥下造影検査では、左右どちらに残留や通過障害があるかを確認して回旋方向を決めます。

画像の確認

実画像では、正面嚥下造影で造影剤の通過が左右非対称となり、片側咽頭に流れの停滞がみられる。健側へ食塊を誘導して患側を閉鎖する頸部回旋が適する所見であり、正答aに対応する。

選択肢の確認

a.頸部回旋
正しい。片側性咽頭麻痺では患側へ頸部回旋し、食塊を健側へ誘導します。

b.頸部伸展
誤り。頸部伸展は食塊を重力で咽頭へ送りやすくしますが、気道防御が弱い患者では誤嚥リスクがあります。

c.うなずき嚥下
誤り。うなずき嚥下は嚥下運動を複数回に分けるなどの目的で用いますが、本問の片側性通過障害への代表的代償法ではありません。

d.体幹角度調整
誤り。体幹角度調整は姿勢全体の管理に有用ですが、左右差への直接的代償は頸部回旋です。

e.液体のとろみ付与
誤り。とろみ付与は流速調整に用いますが、設問の造影所見に対する最も適切な代償法ではありません。

覚えるポイント

  • 片側咽頭麻痺では患側へ頸部回旋。
  • 食塊は健側へ誘導される。
  • VFで残留側と回旋方向を確認する。

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