117D065|第117回 歯科医師国家試験 過去問
87 歳の女性。咀嚼時の疼痛を主訴として歯科訪問診療の依頼を受けた。使用中 の義歯は5 年前に製作し、何度か義歯修理を受け良好に経過していたが、1 か月前 から下顎右側小臼歯部に疼痛を感じるようになったという。1 年前から脳梗塞の後 遺症のために高齢者施設に入所している。初診時の口腔内写真(別冊No. 19A)、上 下顎義歯の写真(別冊No. 19B)及び咬合接触検査結果の写真(別冊No. 19C)を別に 示す。 初診時に行うのはどれか。2 つ選べ。

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正解: c・e
正答
c、e
この問題のポイント
義歯による粘膜疼痛では、まず機械的刺激を除去し、傷んだ粘膜を回復させてから恒久的な適合改善を行います。
解説
疼痛部に対応する義歯床辺縁や床内面の過長・突出・粗造部を修正し、局所への圧迫を除きます。粘膜が広く炎症・変形している場合はティッシュコンディショナーで粘膜を安静化し、本来の形態へ回復させます。
炎症粘膜をそのまま印象してリラインすると、変形した状態を義歯へ再現する危険があります。まず原因除去と粘膜調整を行います。
画像の確認
実画像では、下顎右側小臼歯部顎堤に発赤した圧痕があり、義歯床辺縁は同部で長く、咬合印記にも偏りがみられる。まず過長な床外形を修正し、障害粘膜をティッシュコンディショニングで回復させる正答c・eに対応する。
選択肢の確認
a.リライン
誤り。リラインは適合不良の恒久的改善に用いますが、疼痛と粘膜炎症がある初診時に直ちに行う処置ではありません。
b.概形印象採得
誤り。新義歯製作のための概形印象は、まず疼痛の原因を除去して粘膜状態を整えた後に検討します。
c.床外形の修正
正答。まず行います。床外形の過長や刺激部を修正し、疼痛部への機械的刺激を除去します。
d.ポストダムの付与
誤り。ポストダムは上顎全部床義歯後縁の封鎖に関する処置で、本症例の下顎小臼歯部痛への対応ではありません。
e.ティッシュコンディショニング
正答。まず行います。ティッシュコンディショニングで炎症・変形した粘膜の回復を図ります。
覚えるポイント
- 義歯性疼痛は圧迫部と床縁を確認する。
- 炎症粘膜には原因除去とティッシュコンディショニング。
- 粘膜回復後にリラインや新義歯を検討する。