117D057|第117回 歯科医師国家試験 過去問
75 歳の男性。上顎義歯の会話時の脱離を主訴として来院した。診察の結果、上 顎部分床義歯を製作することとした。ろう義歯試適時に咬頭嵌合位でのずれは認め られなかった。診察中の写真(別冊No. 15A)と人工歯排列の写真(別冊No. 15B)を 別に示す。 人工歯の再排列で正しいのはどれか。2 つ選べ。

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正解: a・b
正答
a、b
この問題のポイント
偏心運動時に上下顎歯が干渉し、会話時の小さな下顎運動でも義歯を突き上げています。左右の上顎犬歯を上方移動して干渉を除きます。
解説
ろう義歯試適では咬頭嵌合位にずれがありませんが、模型上の偏心咬合位では左右の上顎犬歯が下顎歯と早期に接触しています。犬歯が低すぎると、発音や会話に伴う下顎の前方・側方運動で義歯へ転覆力が加わり、脱離しやすくなります。
したがって、左右の上顎犬歯を上方へ移動し、偏心運動時の干渉を除去します。小臼歯や中切歯・側切歯を下方へ移動すると干渉を増やすため不適切です。
画像の確認
実画像では、上顎部分床義歯の左右犬歯部人工歯が偏心咬合時に早期接触し、反対側義歯床が浮き上がる模型像が示されている。左右の犬歯部人工歯を上方へ再排列して干渉を除く選択肢a・bが、正答として示された接触関係に対応する。
選択肢の確認
a.選択肢a(問題画像参照)
正しい。図の一側上顎犬歯を上方へ移動し、偏心運動時の早期接触を除去します。
b.選択肢b(問題画像参照)
正しい。反対側の上顎犬歯も上方へ移動し、左右の偏心運動で義歯へ加わる転覆力を減らします。
c.選択肢c(問題画像参照)
誤り。上顎第一小臼歯を下方へ移動すると咬合干渉を増やし、義歯脱離を悪化させます。
d.選択肢d(問題画像参照)
誤り。上顎小臼歯を下方へ移動することは、偏心時の干渉除去になりません。
e.選択肢e(問題画像参照)
誤り。上顎中切歯・側切歯を下方へ移動すると前方運動時の干渉や発音障害を招く可能性があります。
覚えるポイント
- ろう義歯試適では咬頭嵌合位だけでなく偏心位も確認する。
- 人工歯の早期接触は義歯の転覆・脱離を起こす。
- 本症例では左右上顎犬歯の上方移動で干渉を除く。