117B065|第117回 歯科医師国家試験 過去問
75 歳の男性。上顎義歯の不安定による咀嚼困難を主訴として来院した。診断の 結果、上顎左側前歯部の前処置後、オーバーデンチャーを製作することとした。完 成した根面板の写真(別冊No. 23A)、根面板装着後の口腔内写真(別冊No. 23B)及 び義歯床に埋め込む予定の装置の写真(別冊No. 23C)を別に示す。 この装置の効果はどれか。3 つ選べ。

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正解: c・d・e
正答
c、d、e
この問題のポイント
根面板とアタッチメントを利用するオーバーデンチャーでは、歯根の保存による感覚と支持、アタッチメントによる維持が得られます。
解説
歯根を保存すると歯根膜の機械受容器が残り、咬合力の大きさや方向を感じ取る能力を維持できます。また、根面板を介して咬合力を歯根へ伝え、義歯の沈下に抵抗します。
義歯床内に組み込む磁性アタッチメントなどの維持装置は、義歯が離脱する力に抵抗して維持力を高めます。一方、複数支台歯を剛性連結するバーのような一次固定効果や、厳密な着脱方向規制を主目的とするものではありません。
補綴のポイント
支持は沈下への抵抗、維持は離脱への抵抗、把持は水平的変位への抵抗です。
画像の確認
実画像では、保存歯根上に平坦な円形金属根面板が2個装着され、義歯床側へ入れる装置も平らな磁性アタッチメント形態を示す。歯根保存で歯根膜感覚と咬合支持が残り、磁力で義歯の離脱に抵抗するため、正答c・d・eを支持する。
選択肢の確認
a.一次固定
誤り。
一次固定は複数の支台を剛性連結して動揺を抑える効果であり、この装置の主な効果ではありません。
b.着脱方向の規制
誤り。
磁性アタッチメントなどは着脱方向の許容性が比較的大きく、方向を厳密に規制することが主目的ではありません。
c.歯根膜の感覚受容
正しい。
歯根を保存することで歯根膜の感覚受容を維持できます。
d.咬合力に対する抵抗
正しい。
根面板と歯根が義歯への咬合力を受け、沈下に抵抗する支持効果を示します。
e.離脱力に対する抵抗
正しい。
アタッチメントの吸引・係合により、義歯を外そうとする離脱力に抵抗します。
覚えるポイント
- 歯根保存により歯根膜感覚が残る。
- 支持は咬合力による沈下への抵抗である。
- 維持装置は離脱力に抵抗する。