117A025|第117回 歯科医師国家試験 過去問
夜間の歯ぎしりを訴えて受診した患者の初診時の口腔内写真(別冊No. 6A)、口 腔内装置装着時の口腔内写真(別冊No. 6B)及び装着後1 か月経過した装置の写真 (別冊No. 6C)を別に示す。夜間のみ装着するよう指導しており、問題なく使用で きているという。 患者への説明で適切なのはどれか。1 つ選べ。

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正解: b
正答
b
この問題のポイント
ブラキシズム用口腔内装置は歯ぎしりそのものを必ず停止させる装置ではなく、歯・補綴装置・顎関節への負担を軽減する目的で継続管理します。
解説
夜間用スプリントに咬耗痕が生じるのは、装置が歯ぎしり時の接触を受け止めていることを示します。疼痛や破損、著しい適合不良がなく、患者が問題なく夜間使用できているなら、このまま使用を継続し、定期的に適合・咬合・摩耗・清掃状態を確認します。
治療選択のポイント
スプリントは症状や歯質損耗の管理に用いますが、「一定期間で歯ぎしりが治癒する」と断定してはいけません。
画像の確認
実画像では、下顎型の透明な装置が全歯列を被覆し、1か月後も大きな破折や穿孔はなく、赤い側方滑走時接触と青いタッピング時接触が記録されている。咬合運動に伴う使用痕は装置が機能している所見であり、問題なく夜間使用できているなら現状継続とする正答bにつながる。
選択肢の確認
a.「日中も使ってください」
適切ではありません。
日中の無意識な食いしばりには行動療法が重要であり、夜間用装置を常時装着させると咬合変化などの問題が起こり得ます。
b.「このまま使ってください」
正答。最も適切です。
問題なく使用でき、装置が機能しているため、夜間装着を継続し定期管理します。
c.「上顎用の装置も作ります」
適切ではありません。
上下顎双方に同時に装置を装着する必要は通常なく、咬合を不安定にする可能性があります。
d.「すり減っている部分を削ります」
この時点では適切ではありません。
摩耗部を無目的に削ると咬合接触が不適切になります。必要な調整は診査後に行います。
e.「あと1 か月使うと歯ぎしりが止まります」
適切ではありません。
スプリントは歯ぎしりを一定期間で必ず止める治療ではなく、このような説明は不適切です。
覚えるポイント
- スプリントは保護と負担軽減が目的です。
- 夜間使用、適合、咬合接触、摩耗、清掃状態を定期確認します。
- ブラキシズムの消失を保証しません。