116D073|第116回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床歯科放射線学
65 歳の女性。上顎前歯部の腫瘤を主訴として来院した。3 か月前から徐々に増 大してきたという。初診時の口腔内写真(別冊No. 26A)、エックス線画像(別冊 No. 26B)及び生検時のH-E 染色病理組織像(別冊No. 26C)を別に示す。 適切な対応はどれか。1 つ選べ。

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正解: c
正答
c
この問題のポイント
短期間に増大する歯肉の限局性腫瘤では、画像で骨破壊の有無を確認し、病理で反応性病変か悪性腫瘍かを判断します。
解説
提示された腫瘤は上顎前歯部歯肉に限局し、エックス線画像で著明な骨破壊を示さず、病理では毛細血管と炎症性肉芽組織の増生が主体です。これは化膿性肉芽腫などの良性反応性歯肉病変に合うため、原因刺激を除去して切除します。
病理像で見るポイント
上皮下の毛細血管増生、炎症細胞、肉芽組織を確認します。浸潤性異型細胞があれば悪性腫瘍を考えます。
画像の確認
実画像では、上顎前歯部歯肉に鮮紅色で表面平滑な有茎性腫瘤があり、デンタル像ではその直下に明らかな浸潤性骨破壊がみえない。病理像は上皮下に炎症細胞と多数の小血管を伴う肉芽組織が増生し、悪性異型細胞を示さないため、局所の良性反応性病変として切除する。
選択肢の確認
a.経過観察
誤り。3か月で増大している腫瘤を診断確定後も放置する経過観察は適切ではありません。
b.抗菌薬投与
誤り。感染が主因の膿瘍ではなく、抗菌薬単独では腫瘤を除去できません。
c.切 除
正答。最も適切です。良性反応性病変は局所刺激を除去し、病変を切除して病理確認します。
d.上顎部分切除
誤り。上顎部分切除は悪性腫瘍や侵襲性骨病変に対する処置で、本病変には過大です。
e.放射線療法
誤り。放射線療法はこの良性反応性病変の治療ではありません。
覚えるポイント
- 歯肉の反応性腫瘤は局所刺激除去と切除が基本です。
- 骨破壊と細胞異型の有無を確認します。
- 切除標本は病理組織学的に確定診断します。