116D027第116回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

75 歳の女性。5 年前に製作した下顎のインプラントオーバーデンチャーが外れ やすくなったことを主訴として来院した。検査の結果、咬合状態には問題を認めな かった。患者の口腔内写真(別冊No. 5A)、使用中の義歯粘膜面の写真(別冊No. 5 B)及びエックス線画像(別冊No. 5C)を別に示す。 適切な対応はどれか。1 つ選べ。

116D027の問題画像
解答・解説を見る

正解: c

正答

c

この問題のポイント

インプラントオーバーデンチャーが外れやすくなった場合は、義歯適合・咬合・インプラント周囲骨・維持装置の摩耗を順に確認します。

解説

この症例では咬合状態に問題がなく、義歯床やインプラントにも大きな異常が示されていません。5年間の使用によってアタッチメントの維持部品が摩耗し、維持力が低下したと考えます。

したがって、侵襲の小さいアタッチメントの交換が適切です。維持部品は消耗品であり、定期的な点検と交換が必要です。

画像の確認

実画像では、下顎前歯部の2本のボールアバットメントと、それに対応する義歯粘膜面の2個の維持用マトリックスが確認できる。パノラマ像でインプラント周囲に大きな骨吸収はみえず、義歯床破折もないため、5年使用後の維持低下には消耗したアタッチメント部品の交換が最小限で適切である。

選択肢の確認

a.新義歯の製作
誤り。義歯全体に適合・咬合・破損の問題がなければ、直ちに新義歯を製作する必要はありません。

b.粘膜面の調整
誤り。粘膜面調整は義歯床不適合による疼痛や動揺に行いますが、主因が維持装置の摩耗なら解決しません。

c.アタッチメントの交換
正答。最も適切です。摩耗したアタッチメントを交換することで維持力を回復できます。

d.固定性補綴装置の製作
誤り。固定性補綴装置への変更は治療方針を大きく変えるもので、この段階の第一選択ではありません。

e.インプラントの追加埋入
誤り。インプラントの追加埋入は侵襲が大きく、既存インプラントが機能している本症例では不要です。

覚えるポイント

  • オーバーデンチャーの維持低下ではアタッチメント摩耗を疑います。
  • 咬合と床適合に問題がなければ部品交換を優先します。
  • 維持部品は定期交換が必要です。

関連問題

116D026116D028
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)