116B080|第116回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床口腔外科学
下顎骨骨折の観血的整復固定術後の口腔内写真(別冊No. 32)を別に示す。 この処置の目的はどれか。2 つ選べ。

2つ選択
解答・解説を見る
正解: a・b
正答
a、b
この問題のポイント
下顎骨折の固定後に用いる顎間ゴムは、咬合誘導と早期機能回復を両立させるために使用します。
解説
写真では上下顎のアーチバー間に多数のゴムをかける顎間ゴム牽引が行われています。適度なゴム牽引により骨片を正常咬合へ誘導して咬合を緊密化しつつ、必要に応じて開閉口運動を行わせることで顎関節や軟組織の異常癒着を防止します。硬性の長期顎間固定だけに頼らず、咬合の安定と機能回復を評価します。
画像の確認
実画像では、上下顎の歯列に金属製アーチバーが結紮され、そのフック間を多数の顎間ゴムがほぼ垂直方向に連結して上下歯列を咬合位へ誘導している。硬性ワイヤーで完全に閉鎖した像ではなく弾性牽引なので、咬合を緊密化しながら機能運動を許して異常癒着を防ぐという2目的につながる。
選択肢の確認
a.咬合の緊密化
正しい。
顎間ゴムで上下顎の咬合接触を誘導し、術後の咬合を緊密に整えます。
b.異常癒着の防止
正しい。
適切な時期に機能運動を取り入れることで、顎関節や周囲軟組織の拘縮・異常癒着を防ぎます。
c.術後感染の予防
誤り。
術後感染予防の中心は無菌操作、創管理、必要に応じた抗菌薬であり、顎間ゴムそのものの主目的ではありません。
d.術後腫脹の軽減
誤り。
術後腫脹の軽減には冷罨法、頭部挙上、炎症管理などを行い、顎間ゴムの直接目的ではありません。
e.顎関節脱臼の予防
誤り。
顎関節脱臼の予防を主目的とする処置ではなく、骨折後の咬合誘導と機能回復が中心です。
覚えるポイント
- 顎間ゴム牽引は咬合誘導に用いる。
- 早期機能訓練は顎関節の拘縮・癒着予防に重要。
- 感染予防や腫脹軽減は別の術後管理で行う。