116B081第116回 歯科医師国家試験 過去問

基礎歯科医学病理・微生物・免疫

下唇の異常を主訴として来院した女性の口唇の写真(別冊No. 33)を別に示す。 2 か月前からしみるような接触痛の出現と消退を繰り返しているという。 診断の確定に必要なのはどれか。2 つ選べ。

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2つ選択
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正解: b・e

正答

b、e

この問題のポイント

反復する口唇のびらん・水疱では、自己免疫性水疱症を鑑別するため標的抗原に対する自己抗体を調べます。

解説

口唇に接触痛を伴うびらんが出現と消退を繰り返す場合、粘膜類天疱瘡や水疱性類天疱瘡、尋常性天疱瘡などの自己免疫性水疱症を考えます。類天疱瘡群では基底膜部のBP180に対する抗体、天疱瘡群では上皮細胞間接着に関わるデスモグレインに対する抗体が診断に有用です。臨床像に加えて生検、直接蛍光抗体法などを組み合わせます。

画像の確認

実画像では、下唇赤唇部の広い範囲に暗赤色調の変化があり、中央から右寄りに浅いびらん様の光沢面がみえる。単一の明瞭な外傷性潰瘍や膿疱ではなく、消退と再発を繰り返す有痛性粘膜病変という本文と合わせ、類天疱瘡群と天疱瘡群を鑑別する抗BP180抗体・抗デスモグレイン抗体の検査を選ぶ。

選択肢の確認

a.抗CCP 抗体
誤り。
抗CCP抗体は関節リウマチの診断に有用で、反復する口唇びらんの自己免疫性水疱症を直接診断する検査ではありません。

b.抗BP180 抗体
正しい。
抗BP180抗体は類天疱瘡群で検出され、上皮下水疱を生じる疾患の診断に用います。

c.好中球機能検査
誤り。
好中球機能検査は慢性肉芽腫症などの食細胞機能異常を調べるもので、本症例の第一選択ではありません。

d.マイコプラズマ抗体
誤り。
マイコプラズマ抗体は感染に伴う粘膜病変の検討に用いることがありますが、慢性反復性の自己免疫性水疱症を確定する中心検査ではありません。

e.抗デスモグレイン抗体
正しい。
抗デスモグレイン抗体は尋常性天疱瘡など天疱瘡群の診断に有用です。

覚えるポイント

  • 類天疱瘡群は抗BP180抗体。
  • 天疱瘡群は抗デスモグレイン抗体。
  • 自己免疫性水疱症は臨床像、病理、蛍光抗体法、血清抗体を組み合わせる。

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