116A007|第116回 歯科医師国家試験 過去問
歯科医学総合総合問題
無歯顎患者における顎骨の経年的変化はどれか。1 つ選べ。
解答・解説を見る
正解: b
正答
b
この問題のポイント
無歯顎では歯槽骨吸収だけでなく、顎関節を含む顎骨全体に加齢性・廃用性変化が起こります。上下顎顎堤の吸収方向も整理します。
解説
歯の喪失後は歯槽突起が徐々に吸収し、義歯の支持域や顎間関係が変化します。長期的には顎関節にも退行性変化がみられ、下顎頭の平坦化が起こり得ます。
顎堤吸収は一般に、上顎では内上方へ、下顎では外下方へ進む傾向があります。そのため、上顎顎堤は小さく、下顎顎堤は相対的に大きくなる方向へ変化し、反対咬合傾向を生じることがあります。
臨床でのイメージ
長期間同じ義歯を使用すると、顎堤吸収と咬耗により義歯の適合、咬合高径、顎位が変化します。
選択肢の確認
a.下顎角は鋭角化する。
誤り。
無歯顎化や加齢により下顎角は一般に鈍角化する傾向があり、鋭角化するとはいえません。
b.下顎頭は平坦化する。
正しい。
長期の無歯顎状態では顎関節にも退行性変化が起こり、下顎頭の平坦化がみられます。
c.口蓋部の骨吸収は顎堤部より顕著である。
誤り。
上顎では歯槽頂・顎堤部の吸収が問題となり、比較的厚い口蓋部が顎堤部より顕著に吸収するとはいえません。
d.下顎臼歯部顎堤の吸収は舌側より頰側が大きい。
誤り。
下顎臼歯部では舌側の骨吸収が頰側より大きく、残存顎堤は外方へ移る傾向があります。したがって、頰側の吸収が大きいという記述は適切ではありません。
e.上顎臼歯部顎堤の吸収は頰側より口蓋側が大きい。
誤り。
上顎顎堤は主として頰側から吸収して内方へ狭くなる傾向があり、口蓋側の吸収が頰側より大きいとはいえません。
覚えるポイント
- 無歯顎では下顎頭の平坦化が起こり得ます。
- 上顎顎堤は内上方、下顎顎堤は外下方への吸収傾向を示します。
- 顎堤吸収は義歯の維持安定と顎間関係に影響します。