115D087第115回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科放射線学

60 歳の男性。下顎の痛みを主訴として来院した。エックス線撮影後、説明を行 おうとしたところ、胸痛、胃部不快感と下顎左側の痛みを訴えた。その時の血圧は 110/85 mmHg、SpO2 は96%であった。初診時のエックス線画像 (別冊No. 31A と その時の12 誘導心電図 (別冊No. 31B を別に示す。 適切な対応はどれか。 1つ選べ。

115D087の問題画像
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正解: d

正答

d

この問題のポイント

歯痛にみえる下顎痛でも、胸痛・胃部不快感と心電図変化が同時にあれば急性冠症候群を優先し、歯科検査を中止して救急対応します。

解説

60歳男性が説明中に胸痛、胃部不快感、下顎左側痛を訴えています。画像Aのパノラマエックス線では下顎左側臼歯部に、この全身症状を直ちに説明する明瞭な急性歯性感染所見は示されていません。画像Bの12誘導心電図では胸部誘導を中心としたST-T変化が確認でき、症状と合わせて急性冠症候群が疑われます。SpO2が96%で血圧が保たれていても急性心筋虚血は否定できません。歯科的精査を続けず、循環器治療が可能な医療機関へ救急搬送します。

画像の確認

実画像では、パノラマ像に胸痛を直ちに説明する明瞭な急性歯性感染像が目立たない一方、12誘導心電図の胸部誘導に顕著なST-T変化がみられる。胸痛・胃部不快感と下顎痛を伴う状況では急性冠症候群を優先し、循環器科へ救急搬送する正答dを支える。

選択肢の確認

a.選択肢a(問題画像参照)
誤り。
画像内の原文は「経過観察」です。胸痛と放散痛を疑う下顎痛、心電図変化があり、待機は心筋障害を拡大させる危険があります。
b.選択肢b(問題画像参照)
誤り。
画像内の原文は「精密触覚機能検査」です。末梢神経障害の評価より、生命を脅かす急性冠症候群への対応が優先です。
c.選択肢c(問題画像参照)
誤り。
画像内の原文は「下顎左側臼歯の歯髄電気診」です。歯原性疼痛の追加検査を行う状況ではなく、救急評価を遅らせます。
d.選択肢d(問題画像参照)
正しい。
画像内の原文は「循環器科への救急搬送」です。急性冠症候群を疑い、直ちに歯科処置を中止して専門医療へつなぎます。
e.選択肢e(問題画像参照)
誤り。
画像内の原文は「下顎左側臼歯の口内法エックス線撮影」です。追加の歯科エックス線撮影より、急性心筋虚血への救急対応を優先します。

覚えるポイント

心筋虚血の痛みは胸部だけでなく下顎・頸部・上肢・心窩部へ放散します。歯科所見が乏しい下顎痛に胸部症状が伴えば、まず急性冠症候群を除外します。

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