115C035|第115回 歯科医師国家試験 過去問
ある手術中の口腔内写真 (別冊No. 8A、B と手術翌日のエックス線画像 (別冊 No. 8C を別に示す。 骨固定に用いた材料の主成分はどれか。 1つ選べ。

解答・解説を見る
正解: c
正答
c
この問題のポイント
手術写真では白色の吸収性プレートとスクリューが用いられ、術後パノラマエックス線画像では固定材料が明瞭な金属不透過像として現れていません。主成分はポリ-L-乳酸です。
解説
顎矯正手術や顎顔面骨折では、移動・整復した骨片をプレートとスクリューで固定します。固定材料にはチタン製と、生体内で分解・吸収される高分子材料があります。
ポリ-L-乳酸は生体吸収性高分子です。体内で加水分解され、低分子化した後、最終的に代謝されます。骨癒合後に固定材料を除去する手術を回避できることが利点です。
写真では、金属光沢をもたない白色のプレートが上顎および下顎骨切り部へ使用されています。また、術翌日のパノラマエックス線画像でプレートが強い不透過像として目立たないことも、吸収性材料を考える手掛かりです。
一方、リン酸三カルシウムとハイドロキシアパタイトは骨補填材として使用されますが、通常の骨片固定用プレートの主成分ではありません。
材料問題のポイント
材料の色調、エックス線不透過性、吸収性、主な臨床用途を組み合わせて判断します。
画像の確認
実画像では、上下顎骨切り部に白色で非金属様のプレートとスクリューが固定されている一方、術後パノラマ像では強い金属不透過像が目立たない。この外観は吸収性プレート材料であるポリ-L-乳酸を選ぶ正答cを支える。
選択肢の確認
a.チタン
誤り。
チタン製プレートは金属光沢をもち、エックス線画像で明瞭な不透過像を示します。写真の白色でエックス線上目立ちにくい固定材料とは異なります。
b.ジルコニア
誤り。
ジルコニアは歯冠修復やインプラント関連材料に用いられる高強度セラミックスです。顎矯正手術の吸収性プレートの主成分ではありません。
c.ポリーレー乳酸
正しい。
選択肢はポリ-L-乳酸を指します。生体吸収性プレート・スクリューの材料として用いられ、骨癒合後に徐々に分解・吸収されます。
d.リン酸三カルシウム
誤り。
リン酸三カルシウムは骨伝導性をもつ吸収性骨補填材です。骨欠損へ充填する用途が中心で、骨固定プレートの主成分ではありません。
e.ハイドロキシアパタイト
誤り。
ハイドロキシアパタイトは骨の無機成分に類似する骨補填材やコーティング材です。写真の骨固定プレートの主成分ではありません。
覚えるポイント
- ポリ-L-乳酸は生体吸収性骨固定材料です。
- チタン製プレートはエックス線不透過性が高く、画像で明瞭に写ります。
- リン酸三カルシウムとハイドロキシアパタイトは主に骨補填材です。