115B075第115回 歯科医師国家試験 過去問

歯科医学総合総合問題

エナメル質の表層下脱灰について正しいのはどれか。 1つ選べ。

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正解: d

正答

d

この問題のポイント

初期エナメル質齲蝕では、表面が比較的保たれたまま内部の脱灰が進む表層下脱灰が生じます。表層約10-20 μmは唾液由来ミネラルによって再石灰化され、比較的高い石灰化度を保ちます。

解説

プラーク中の細菌が産生した酸がエナメル質内へ拡散すると、結晶からカルシウムやリン酸が溶出します。一方、唾液中のカルシウム、リン酸、フッ化物は歯面表層へ供給されるため、最表層は内部より脱灰されにくく、再石灰化も起こります。

その結果、表面は崩壊していないのに、その直下の病変体で脱灰が進む表層下脱灰となります。乾燥すると光の屈折が変化し、白斑として観察されます。

この段階は非実質欠損性の初期齲蝕であり、プラークコントロール、フッ化物応用、食習慣改善によって再石灰化を期待できます。

ひっかけポイント
白斑は透明性が高いのではなく、微小な空隙による光散乱のため不透明に見える病変です。

選択肢の確認

a.齲窩の形成がある。
誤り。
表層下脱灰は、表面構造が保たれた非実質欠損性の初期齲蝕です。表面が崩壊して齲窩を形成した段階とは異なります。

b.病変部は透明性が高い。
誤り。
脱灰による微小空隙で光が散乱するため、乾燥時には白濁して不透明に見えます。

c.酸産生菌の侵入によって生じる。
誤り。
初期エナメル質齲蝕は、主にプラーク中で産生された酸がエナメル質内へ拡散して生じます。細菌がエナメル質内部へ侵入することが初発機序ではありません。

d.表層10-20 μm は再石灰化している。
正しい。
表層は唾液由来のミネラル供給を受けやすく、病変体より高い石灰化度を保ちます。

e.病変部はエナメルタンパクが蓄積している。
誤り。
病変の本態は無機質の溶出による脱灰です。エナメルタンパクの蓄積が主要な変化ではありません。

覚えるポイント

  • 初期エナメル質齲蝕は表面が保たれ、内部が脱灰します。
  • 表層は唾液によって再石灰化されやすく、約10-20 μmが比較的保たれます。
  • 白斑の段階では再石灰化療法が重要です。

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