115B062第115回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

48 歳の女性。上顎右側大臼歯の欠損による咀嚼困難を主訴として来院した。患 者の希望により審美性に配慮したブリッジによる補綴治療を行うこととした。初診 時の口腔内写真 (別冊No. 29 )を別に示す。 適切な支台装置はどれか。 2つ選べ。

115B062の問題画像
2つ選択
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正解: b・e

正答

b、e

この問題のポイント

審美性に配慮したブリッジでは、支台歯の状態に応じて、審美的な全部被覆冠歯質削除量の少ない接着性リテーナーを使い分けます。

解説

ブリッジの支台装置には、支台歯を十分に把持して咬合力へ抵抗すること、ポンティックを安定して支持すること、辺縁適合と清掃性を確保することが求められます。さらに本症例では、金属色が目立たないことも重要です。

ジルコニアクラウンは、歯冠全体を被覆する支台装置です。高い強度をもち、歯冠色に近い外観を得やすいため、臼歯部ブリッジの審美的な支台装置として使用できます。大きな修復物がある歯や、十分な保持・抵抗形態が必要な歯にも適します。

接着ブリッジD 字型リテーナーは、主に支台歯の舌側・口蓋側および隣接面へ設定し、接着性レジンセメントで保持します。唇頰側の歯質を広く被覆しないため、金属色を目立ちにくくしながら健全歯質を保存できます。

画像の確認

実画像では、上顎右側第一大臼歯部が欠損し、後方支台候補には大きな修復がある一方、前方支台候補の頰側歯質は比較的保たれている。強度が必要な側には歯冠色のジルコニアクラウン、健全歯質を残したい側には頰側から目立ちにくいD字型接着リテーナーを選ぶため、b、eを支える。

選択肢の確認

a.ラミネートベニア
誤り。
ラミネートベニアは主に前歯の唇側面へ薄いセラミックスを接着し、色調や形態を改善する修復法です。臼歯部ブリッジの咬合力を負担する支台装置としては保持力と強度が不足します。

b.ジルコニアクラウン
正しい。
高い強度と審美性をもち、臼歯部ブリッジの全部被覆型支台装置として使用できます。十分な保持・抵抗形態を付与しやすい点も利点です。

c.コンポジットレジンクラウン
誤り。
コンポジットレジンは修理性や審美性に利点がありますが、臼歯部ブリッジの支台装置として長期に大きな咬合力を負担するには、耐摩耗性や機械的強度が十分ではありません。

d.プロキシマルハーフクラウン
誤り。
部分被覆冠の一種で健全歯質を保存できますが、支台歯形態や咬合条件によっては保持力が不足し、金属辺縁が見える可能性もあります。本症例で求める支台装置としてはbとeが適切です。

e.接着ブリッジD 字型リテーナー
正しい。
主に舌側・口蓋側へ設定して接着保持を得るため、頰側の外観を損ないにくく、支台歯の切削量も抑えられます。

覚えるポイント

  • 臼歯部ブリッジでは、強度・保持力・歯質保存・審美性を同時に評価します。
  • ジルコニアクラウンは、審美性と高い機械的強度を兼ね備えます。
  • 接着ブリッジのリテーナーは、適切な症例では健全歯質の削除を少なくできます。

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