115B049第115回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科放射線学

下顎左側臼歯部の腫脹を有する患者の初診時のパノラマエックス線画像 (別冊No. 20A 、頭部後前方向撮影エックス線画像 (別冊No. 20B 及びその後追加で撮影し た歯科用コーンビームCT (別冊No. 20C を別に示す。 歯科用コーンビームCT で新たに得られた所見はどれか。 1つ選べ。

115B049の問題画像
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正解: c

正答

c

この問題のポイント

パノラマエックス線画像と頭部後前方向撮影は二次元画像です。歯科用コーンビームCTでは、病変と下顎管の頰舌的位置関係を新たに三次元的に評価できます。

解説

パノラマエックス線画像では、病変の前後的広がり、歯との関係、下顎管の上下方向への偏位などを把握できます。頭部後前方向撮影では、左右差や顎骨の横方向への膨隆を評価できます。

しかし、これらは構造が重なって投影されるため、下顎管が病変の頰側を通るのか、病変内を通るのか、舌側を通るのかを正確に判断することは困難です。

歯科用コーンビームCTでは、軸位断、冠状断、矢状断および多断面再構成像を観察できます。そのため、本症例では左側下顎管が病変の舌側部を通過するという頰舌的位置関係が新たに得られます。

画像の確認

実画像では、パノラマ像で左下顎角から下顎枝に大きな透過性病変と下顎管の下方偏位がみられ、後前方向像では左右幅の差を確認できる。CBCTの横断像では、下顎管に相当する管状構造が病変の舌側皮質寄りを走る頰舌的位置関係が新たに描出されている。この三次元情報がcの正答を支える。

選択肢の確認

a.病変部の辺縁不整
誤り。
病変の辺縁形態はパノラマエックス線画像でも評価できます。CBCTでのみ新たに得られる代表的な所見ではありません。

b.左側下顎管の下方圧排
誤り。
下顎管の上下方向への偏位は、パノラマエックス線画像でも追跡できます。

c.左側下顎管の病変舌側部通過
正しい。
下顎管が病変の頰側・舌側のどちらを通るかは、断層像を用いるCBCTによって初めて正確に評価できます。

d.左側下顎枝部の頰舌的骨膨隆
誤り。
頰舌的膨隆はCBCTで詳細に評価できますが、頭部後前方向撮影でも左右の幅径差や膨隆を把握できます。本問で新たに得られた決定的所見は下顎管の舌側通過です。

e.左側下顎枝前縁の皮質骨菲薄化
誤り。
皮質骨の菲薄化はCBCTで詳細に確認できますが、設問で問う新規情報としては下顎管の三次元的位置関係が優先されます。

覚えるポイント

  • パノラマ画像は主に前後・上下方向、CBCTは頰舌方向を含む三次元情報を提供します。
  • 下顎管と病変の位置関係は、手術による知覚障害リスク評価に重要です。
  • 二次元画像で見えている情報を、CBCTで新たに得た所見と混同しないようにします。

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