115B050第115回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床小児歯科学

8歳の女児。上顎前歯部の精査を希望して来院した。半年前にAが脱落し後継 永久歯が萌出してきた。 1か月前にAが脱落し萌出してきた歯の形態の異常に気 付いたという。初診時の口腔内写真 (別冊No. 21A とエックス線画像 (別冊No. 21 B を別に示す。 まず行うのはどれか。 1つ選べ。

115B050の問題画像
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正解: a

正答

a

この問題のポイント

混合歯列期に異常な形態の前歯が萌出した場合は、口腔内の歯だけで判断せず、エックス線画像で正常永久歯と過剰歯の位置関係を確認します。本症例では、正常な永久歯の萌出を妨げるアを先に抜歯します。

解説

症例は8歳で、上顎乳中切歯の脱落後に萌出した歯の形態異常が問題となっています。口腔内写真では、アが正常な中切歯とは異なる不規則で幅広い歯冠形態を示し、歯列内の空隙を占有しています。

エックス線画像では、アとは別に歯冠様構造をもつ未萌出歯が存在し、前歯部の歯数と萌出経路が複雑になっています。アは歯列内に萌出した過剰歯として正常永久歯の萌出・排列を妨げているため、まず抜歯して萌出路と排列空隙を確保します。

アを抜歯した後は、骨内にある正常永久歯の歯根形成段階、萌出方向、利用できる空隙を評価し、自然萌出を待ちます。自然萌出が得られない場合に、開窓牽引や歯列内への矯正移動を検討します。

画像の確認

実画像では、上顎前歯部のアが幅広く不規則な二分状歯冠を呈して歯列空隙を占有し、エックス線写真にはこれとは別の未萌出歯冠様構造もみられる。正常永久歯の萌出・排列路を確保するうえで、まず異常形態で萌出したアを抜歯するという正答を支える。

選択肢の確認

a.アの抜歯
正答。まず行います。
アは正常永久歯の萌出・排列を妨げる過剰歯です。原因歯を除去して正常永久歯の萌出路を確保することが最優先です。

b.アの形態修正
誤り。
アは歯冠形態だけが問題なのではなく、正常永久歯とは別に存在する過剰歯です。削合して歯列内に残すと、正常永久歯の萌出障害や歯列不正の原因が残ります。

c.イの近心移動
誤り。
イを移動する前に、まず萌出障害の原因となるアを除去します。抜歯後に空隙と正常永久歯の自然萌出を評価し、必要な場合に矯正移動を検討します。

d.ウの抜歯
誤り。
ウは現在の歯列と空隙の維持に関係する歯であり、最初に抜去する原因歯ではありません。まず異常萌出したアを除去し、その後の萌出と歯列変化を評価します。

e.エの抜歯
誤り。
エは骨内にある未萌出歯であり、位置、歯冠形態、隣在永久歯との関係をさらに評価して扱いを決めます。現時点で口腔内の萌出障害を直接起こしているアの除去が先です。

覚えるポイント

  • 小児の前歯部形態異常では、歯数を数えて過剰歯と正常永久歯を区別します。
  • 過剰歯が正常永久歯の萌出を妨げる場合は、原因となる過剰歯を先に抜歯します。
  • 原因除去後は、まず正常永久歯の自然萌出を観察し、必要時に矯正牽引を検討します。

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