115B043|第115回 歯科医師国家試験 過去問
口腔癌患者の造影CT (別冊No. 16 )を別に示す。 矢印で示す病変の触診所見はどれか。 2つ選べ。

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正解: a・d
正答
a、d
この問題のポイント
口腔癌の進展病変や転移性リンパ節では、腫瘍細胞の浸潤と周囲組織への固定により、触診で硬 結と癒 着を認めやすくなります。
解説
悪性腫瘍は、周囲組織との境界を越えて浸潤性に増殖します。腫瘍実質と線維性間質が増加すると、触診では正常組織より硬い硬結として触れます。
また、腫瘍が皮膚、筋、血管、神経、周囲リンパ節被膜などへ浸潤すると、病変の可動性が低下し、周囲組織との癒着を認めます。口腔癌患者の頸部病変で硬く固定されたリンパ節を触れる場合は、リンパ節転移や節外浸潤を疑う重要な所見です。
一方、熱感は急性炎症、波動は液体を含む膿瘍や嚢胞性病変、捏形性は脂肪性病変などでみられる軟らかな触感と関連します。
画像の確認
実画像では、造影CTの左頸部に境界が周囲組織へなじむような大きな充実性腫瘤があり、矢印部では正常な組織層が不明瞭になっている。充実性で浸潤・固定を疑わせる形態から、触診では硬結と癒着が想定されるためa、dが正答となる。
選択肢の確認
a.硬 結
正しい。
腫瘍細胞の増殖と線維性間質の形成により、悪性病変は硬く触れることがあります。口腔癌の原発巣や転移リンパ節で重要な所見です。
b.熱 感
誤り。
熱感は血流増加を伴う急性炎症でみられやすい所見です。悪性腫瘍の代表的な触診所見ではありません。
c.波 動
誤り。
波動は、膿瘍や嚢胞など液体を含む病変で認めます。充実性の悪性腫瘍では通常、中心的な触診所見にはなりません。
d.癒 着
正しい。
腫瘍が周囲組織へ浸潤すると可動性が低下し、皮膚や深部組織との癒着を認めます。転移性リンパ節でも重要です。
e.捏形性
誤り。
捏形性は、押すと形が変わるような軟らかい性状で、脂肪腫などでみられることがあります。浸潤性悪性病変の典型ではありません。
覚えるポイント
- 悪性病変は硬い、境界不明瞭、動きにくいという触診所見を示しやすくなります。
- 波動は液体貯留、熱感は急性炎症を示唆します。
- 口腔癌患者の硬く固定された頸部リンパ節では転移を疑います。