115B044|第115回 歯科医師国家試験 過去問
上顎左側第二小臼歯の実質欠損部に対し補修修復を行った。術前と術後の口腔内 写真 (別冊No. 17 )を別に示す。 治療に使用したのはどれか。すべて選べ。

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正解: b・d
正答
b、d
この問題のポイント
既存修復物の補修修復では、修復材料の表面処理と確実な防湿が接着成績を左右します。貴金属表面への接着にはVBATDT、口腔内の防湿にはラバーダムシートを用います。
解説
補修修復は、既存の修復物をすべて除去せず、欠損部だけをコンポジットレジンなどで修復する方法です。歯質保存と治療時間の短縮に利点がありますが、既存材料と新しいレジンとの接着を確実にする必要があります。
VBATDTは硫黄を含む機能性モノマーで、金、銀、パラジウムなどを含む貴金属合金表面へのレジン接着を高めるために用いられます。金属表面を清掃・粗造化した後に適用し、接着性レジンやコンポジットレジンとの化学的結合を補助します。
ラバーダムシートは、唾液や呼気中水分による汚染を防ぎ、接着操作に適した乾燥環境を確保します。補修修復では複数の表面処理剤を順序どおりに使用するため、防湿は特に重要です。
画像の確認
実画像では、既存の広い金属修復物に隣接する歯冠色部が欠損し、術後にはその部分が歯冠色材料で補修されて金属辺縁へ連続している。露出した貴金属面と新しいレジンの接着および確実な防湿が必要な構成であるため、VBATDTとラバーダムシートを用いるというb、dを支える。
選択肢の確認
a.ウェッジ
誤り。
ウェッジは隣接面修復でマトリックスを歯頸部へ適合させ、歯間分離や歯肉保護を行う器具です。本症例で必須となる表面処理材や防湿器具ではありません。
b.VBATDT
正しい。
貴金属合金表面とレジン材料との接着を高める機能性モノマーです。既存金属修復物をレジンで補修する際に用います。
c.ポリアクリル酸
誤り。
ポリアクリル酸は主にグラスアイオノマーセメント使用時の歯面処理などに用います。貴金属表面とコンポジットレジンの接着処理には適しません。
d.ラバーダムシート
正しい。
唾液や湿気を遮断し、接着操作を安定させます。補修修復の接着耐久性を確保するうえで重要です。
e.研磨用ストリップス
誤り。
研磨用ストリップスは隣接面の形態修正や研磨に用います。画像で隣接面研磨が必要な場合には使用し得ますが、本問で示された処置に必須の材料ではありません。
覚えるポイント
- 貴金属合金への接着には硫黄含有モノマーであるVBATDTが有効です。
- 接着修復ではラバーダムによる防湿が重要です。
- 既存材料が金属、シリカ系セラミックス、ジルコニアのどれかで表面処理法が異なります。