115B031第115回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

次の文により31、32 の問いに答えよ。 58 歳の女性。右側での咀嚼困難を主訴として来院した。診察の結果、上顎右側 にインプラント義歯による補綴装置を製作することとした。 印象採得前に行った操作の写真 (別冊No. 9 )を別に示す。 この操作の目的はどれか。 2つ選べ。

115B031の問題画像
2つ選択
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正解: c・e

正答

c、e

この問題のポイント

複数のインプラントの印象採得では、印象用コーピングを連結して、着脱方向の確認インプラント間の三次元的位置関係の正確な再現を図ります。

解説

インプラント上部構造を受動的に適合させるには、口腔内の各インプラントの位置と方向を作業用模型へ正確に移す必要があります。複数の印象用コーピングをレジンなどで連結する操作は、印象採得時のずれや回転を抑えるために行います。

コーピングを連結すると、それぞれの長軸方向を視覚的に比較でき、トレーや印象体を着脱できる方向が確保されているかを確認しやすくなります。また、印象撤去時やアナログ連結時にコーピング相互の位置が変化しにくくなり、作業用模型上での位置関係の再現性が高まります。

画像の確認

実画像では、上顎右側の三本の印象用コーピングが緑色のレジン様材料とバーで互いに連結され、ブラシで材料を追加している。連結により長軸方向を比較でき、撤去時の相互の移動・回転も抑えられるため、着脱時の平行性確認と位置関係の再現性向上というc、eを支える。

選択肢の確認

a.印象材の重合促進
誤り。
コーピングの連結は、印象材の化学反応や重合速度を速める操作ではありません。重合は材料の種類、温度、練和条件などに影響されます。

b.歯肉形態の再現性向上
誤り。
歯肉形態の再現には、適切な印象材、カスタム印象用コーピング、歯肉圧排やエマージェンスプロファイルの記録が関係します。コーピング連結の主目的ではありません。

c.着脱時の平行性の確認
正しい。
複数のコーピングの長軸を比較し、印象用トレーや印象体が無理なく着脱できる方向を確認できます。

d.印象用コーピングの形態修正
誤り。
連結材料を用いる操作は、コーピング自体の外形を削合・追加して形態修正することが主目的ではありません。

e.印象用コーピングの位置関係の再現性向上
正しい。
コーピング同士を固定することで、印象撤去時の微小な移動や回転を抑え、インプラント相互の位置関係を作業用模型へ正確に移しやすくなります。

覚えるポイント

  • 多数歯インプラント印象では、コーピングの連結固定が精度向上に有効です。
  • 目的は、コーピング間の位置ずれ・回転を抑えることです。
  • 上部構造の受動的適合には、インプラント位置の正確な模型再現が不可欠です。

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