115A057|第115回 歯科医師国家試験 過去問
全身麻酔の導入に際し、意識下挿管を選択する理由はどれか。 2つ選べ。
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正解: b・e
正答
b、e
この問題のポイント
意識下挿管は、麻酔導入によって自発呼吸や上気道の筋緊張を失う前に気管挿管を行う方法です。気道確保困難と誤嚥リスクが高い胃充満が重要な適応です。
解説
全身麻酔導入後は意識、咽頭・喉頭反射、上気道筋の緊張、自発呼吸が低下します。通常の患者ではマスク換気や気管挿管によって気道を確保できますが、気道確保困難が予測される患者では、導入後に換気も挿管もできない危険があります。
意識下挿管では、局所麻酔と必要最小限の鎮静を用い、患者の自発呼吸と気道開通性を保ちながら挿管します。ファイバースコープなどを用いて、気管チューブの位置を確認してから全身麻酔を導入できます。
フルストマックでは胃内容物の逆流・誤嚥リスクが高くなります。状況により迅速導入を選ぶ場合もありますが、誤嚥リスクに加えて安全な気道確保を優先すべき場合には、意識と防御反射を保ったまま先に気管挿管する方法が選択肢になります。
全身管理上の注意点
意識下挿管でも過度の鎮静は気道閉塞や低換気を招きます。十分な表面麻酔、酸素化、モニタリング、吸引準備、代替気道確保計画が必要です。
選択肢の確認
a.無気肺
誤り。
無気肺は周術期の酸素化障害の原因になりますが、それ自体は意識下挿管を選択する代表的な理由ではありません。
b.気道確保困難
正しい。
麻酔導入後に自発呼吸と上気道筋緊張を失うと危険なため、意識と自発呼吸を保った状態で先に気管挿管します。
c.重度高血圧症
誤り。
高血圧は周術期管理上重要ですが、意識下挿管の直接の適応ではありません。挿管刺激による血圧上昇を抑える管理が必要です。
d.反回神経麻痺
誤り。
反回神経麻痺は声帯運動障害を生じますが、片側か両側か、声門狭窄の程度などで対応が異なります。病名だけで意識下挿管の代表的適応とは判断しません。
e.フルストマック〈胃充満〉
正しい。
胃内容物の逆流・誤嚥リスクが高いため、気道防御を保ちながら確実に挿管する目的で意識下挿管を選択することがあります。
覚えるポイント
- 意識下挿管では自発呼吸と気道筋緊張を保ったまま気管チューブを留置します。
- 代表的な理由は予測される気道確保困難と高い誤嚥リスクです。
- 過度の鎮静を避け、酸素化と代替気道計画を準備します。