115A056第115回 歯科医師国家試験 過去問

社会歯科公衆衛生・予防歯科

ある年度の都道府県別のフッ化物洗口事業実施率と学校保健統計調査による 12 歳児DMFT との関連性を調べた。 この研究方法はどれか。 1つ選べ。

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正解: c

正答

c

この問題のポイント

曝露と健康指標を個人単位ではなく、都道府県という集団単位で比較しているため、生態学的研究と判断します。

解説

この研究では、都道府県別のフッ化物洗口事業実施率と、都道府県別の12歳児DMFTとの関連を調べています。どちらのデータも個人ではなく地域集団として集計されています。

このように、国、都道府県、市町村、学校などの集団単位の曝露指標と集団単位の疾病指標を比較する研究を生態学的研究といいます。既存の統計資料を利用しやすく、地域差や仮説を探索するのに適しています。

ただし、集団レベルで認めた関連を、その集団に属する個人にもそのまま当てはめることはできません。これを生態学的誤謬といいます。例えば、実施率が高い都道府県でDMFTが低くても、洗口を行った個人ほどDMFTが低いと直接証明したことにはなりません。

選択肢の確認

a.介入研究
誤り。
研究者が対象へフッ化物洗口を割り付けて効果を比較しているわけではありません。既存の地域統計の関連を観察しています。

b.症例対照研究
誤り。
症例対照研究は、疾病の有無で個人を症例群と対照群に分け、過去の曝露を比較します。本研究は個人を症例・対照に分けていません。

c.生態学的研究
正しい。
都道府県という集団単位で、フッ化物洗口事業実施率と12歳児DMFTを比較しているため、生態学的研究です。

d.前向きコホート研究
誤り。
前向きコホート研究は、個人を曝露状況別に登録し、その後の疾病発生を追跡します。本研究では個人の追跡を行っていません。

e.後ろ向きコホート研究
誤り。
後ろ向きコホート研究も、過去の記録から個人の曝露集団を設定して転帰を比較します。本研究は個人単位のコホートではありません。

覚えるポイント

  • 集団の曝露と集団の疾病指標を比較するのが生態学的研究です。
  • 地域差の把握や仮説生成には有用ですが、個人レベルの因果関係は直接証明できません。
  • 集団の関連を個人へ当てはめる誤りを生態学的誤謬といいます。

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