115A024第115回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

下顎義歯の紛失による咀嚼困難を主訴として来院した患者に対し下顎部分床義歯 を新製することとした。初診時の口腔内写真 (別冊No. 3A と個人トレーを用いて 行ったある操作の写真 (別冊No. 3B を別に示す。 この操作の目的はどれか。 2つ選べ。

115A024の問題画像
2つ選択
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正解: b・c

正答

b、c

この問題のポイント

個人トレーを用いて行う筋圧形成・辺縁形成の目的を問う問題です。義歯床の支持、維持、安定に関係する操作を区別します。

解説

個人トレーの辺縁にモデリングコンパウンドなどを付与し、口唇、頰、舌、口腔底などを機能運動させてトレー辺縁を形成する操作を、筋圧形成または辺縁形成といいます。

この操作によって、可動粘膜や筋・小帯の動きに調和した義歯床辺縁の長さと形態を決定できます。床縁が短すぎると維持が低下し、長すぎると運動時の疼痛や義歯の浮き上がりを生じます。

適切な床縁を形成すると、床縁部から空気が入りにくくなり、辺縁封鎖が向上します。その結果、義歯の維持と安定が得られやすくなります。

画像の確認

実画像では、下顎臼歯部欠損に対する個人トレーの辺縁全周に赤色・緑色のモデリング材が付与され、機能運動で形成された起伏がみられる。この操作は辺縁形態の決定と辺縁封鎖の向上に関わるため、正答の二項目を支える。

選択肢の確認

a.顎堤への咬合圧の負担
誤り。
最終印象や義歯設計は咬合圧を支持組織へ適切に分散させるために重要ですが、辺縁形成の直接の目的は咬合圧を顎堤へ負担させることではありません。

b.義歯床辺縁形態の決定
正しい。
周囲軟組織の機能運動を利用して、過長でも過短でもない義歯床辺縁の形態を決定します。

c.義歯の辺縁封鎖の向上
正しい。
機能運動に調和した床縁は、義歯床下への空気の侵入を抑え、辺縁封鎖と維持を向上させます。

d.顎堤へのスペーサーの付与
誤り。
スペーサーは個人トレー製作前に研究用模型上へ付与し、印象材の厚みや組織への圧を調整するものです。口腔内で行う辺縁形成の目的ではありません。

e.ニュートラルゾーンの記録
誤り。
ニュートラルゾーンの記録は、舌圧と口唇・頰圧が均衡する領域を記録し、人工歯排列や義歯床研磨面形態に反映する操作です。個人トレーの辺縁形成とは目的が異なります。

覚えるポイント

  • 筋圧形成の目的は床縁形態の決定辺縁封鎖の向上です。
  • 床縁の過長は疼痛・浮き上がり、過短は維持低下の原因になります。
  • スペーサー付与、ニュートラルゾーン記録、筋圧形成を別々の操作として整理します。

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