39AM64第39回 臨床工学技士国家試験 過去問

人体の構造と機能呼吸循環生理肺拡散能・CO₂運搬・血圧/脈圧・冠循環

カプノメータで測定される呼気終末二酸化炭素分圧(PETCO₂)が上昇する要因として正しいのはどれか。

解答・解説を見る

正解: 5

正答

5

この問題のポイント

この問題では、カプノメータで測定される呼気終末二酸化炭素分圧 PETCO₂が上昇する要因が問われています。

PETCO₂は、呼気終末に測定される二酸化炭素分圧で、肺胞内のCO₂濃度を反映しやすい指標です。

重要なのは、PETCO₂が主に次の要素に影響されることです。

  • CO₂産生量
  • 肺血流、心拍出量
  • 肺胞換気量
  • 気管チューブや呼吸回路の状態

この中で、PETCO₂を上昇させる代表的な要因は肺胞換気量の低下です。

解説

PETCO₂は、呼気の最後に排出されるガスのCO₂分圧です。

正常な換気と肺血流が保たれている場合、PETCO₂は動脈血二酸化炭素分圧 PaCO₂ と近い値になります。

CO₂は体内で産生され、血液によって肺へ運ばれ、肺胞換気によって体外へ排出されます。

したがって、肺胞換気量が低下すると、CO₂を十分に排出できなくなります。

その結果、

  • 肺胞内CO₂が増加する
  • PaCO₂が上昇する
  • PETCO₂も上昇しやすくなる

という流れになります。

特に人工呼吸器管理では、分時換気量肺胞換気量が不足すると、CO₂が体内に貯留し、PETCO₂上昇として現れることがあります。

国家試験ではここを押さえる
PaCO₂ と PETCO₂ は、主に肺胞換気量に左右されると考えます。

肺胞換気量が低下するとCO₂排出が減り、PETCO₂は上昇しやすくなります。

ひっかけポイント
肺塞栓症や心拍出量低下では、肺へ運ばれるCO₂が減るため、PETCO₂は低下しやすくなります。

PaCO₂が上がる病態と、PETCO₂が上がる病態は必ずしも同じではありません。

選択肢の確認

1.誤り。
低体温では代謝が低下し、CO₂産生量が減少します。そのため、PETCO₂は上昇するよりも低下しやすくなります。

2.誤り。
食道挿管では、気管ではなく食道にチューブが入っているため、肺胞からの呼気CO₂を持続的に検出できません。胃内に残ったCO₂で一時的に波形が出ることはありますが、通常はPETCO₂は低下または消失します。

3.誤り。
肺塞栓症では肺血流が低下し、換気されていても血流のない肺胞、つまり死腔換気が増加します。肺胞まで運ばれるCO₂が減るため、PETCO₂は低下しやすくなります。

4.誤り。
心拍出量が低下すると、末梢で産生されたCO₂が肺へ運ばれにくくなります。そのため、呼気中に排出されるCO₂が減少し、PETCO₂は低下しやすくなります。心肺蘇生中にPETCO₂が循環状態の指標として使われるのはこのためです。

5.正しい。
肺胞換気量が低下すると、CO₂を十分に排出できず、肺胞内にCO₂が蓄積します。その結果、PETCO₂は上昇します。人工呼吸器では、換気回数や1回換気量が不足するとPETCO₂上昇につながります。

覚えるポイント

  • PETCO₂は、呼気終末のCO₂分圧である。
  • PETCO₂は、換気、肺血流、CO₂産生量の影響を受ける。
  • 肺胞換気量が低下するとPETCO₂は上昇しやすい。
  • 肺塞栓症や心拍出量低下では、肺へ運ばれるCO₂が減り、PETCO₂は低下しやすい。
  • 食道挿管では、持続的な呼気CO₂波形が得られにくい。
  • 人工呼吸器管理では、PETCO₂の変化を換気状態、循環状態、チューブ位置と結びつけて判断する。

関連問題

39AM6339AM65
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)