39AM65第39回 臨床工学技士国家試験 過去問

病理・臨床医学呼吸器疾患COPD・喘息・無気肺・ARDS・CO₂ナルコーシス

人工鼻について正しいのはどれか。

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正解: 1

正答

1

この問題のポイント

この問題では、人工呼吸管理で使用される人工鼻の特徴と注意点が問われています。

人工鼻は、正式には熱湿交換器またはHMEと呼ばれます。

患者の呼気中の熱と水分を保持し、次の吸気時にそれを戻すことで、吸入ガスを加温・加湿します。

ただし、人工鼻を呼吸回路内に装着すると、回路内に器具の内容量が加わるため、死腔が増加します。

解説

通常、鼻や上気道は吸気を加温・加湿する働きを持っています。

しかし、気管挿管や気管切開では、上気道を通らずにガスが気管へ直接入るため、吸入ガスの加温・加湿が不足しやすくなります。

人工鼻は、この不足を補うために使用されます。

人工鼻の主な特徴は次のとおりです。

  • 呼気中の熱と水分を保持する
  • 次の吸気時に熱と水分を戻す
  • 装置が比較的簡便である
  • 電源を必要としない
  • 呼吸回路に追加するため、死腔が増加する
  • 分泌物で閉塞すると換気不良の原因になる

特に小児や低体重患者、換気量が少ない患者では、人工鼻による死腔増加がCO₂再吸入につながることがあります。

ひっかけポイント
人工鼻は加温加湿に使いますが、能動的に水蒸気を供給する加温加湿器とは異なります。

人工鼻は呼気から熱と水分を回収する器具であり、加湿過剰になりやすい器具ではありません。

臨床工学技士としての注意点
人工鼻を使用するときは、死腔増加、気道抵抗上昇、分泌物による閉塞、交換時期、ネブライザ使用時の取り扱いを確認します。

痰が多い患者や粘稠な患者では、人工鼻の閉塞に注意が必要です。

選択肢の確認

1.正しい。
人工鼻を呼吸回路に挿入すると、人工鼻内部の容積が加わります。そのため、患者側の器械的死腔が増加します。特に小児や低換気の患者ではCO₂再吸入に注意します。

2.誤り。
人工鼻は原則としてネブライザと併用しません。ネブライザの薬液粒子が人工鼻に付着すると、薬剤が患者へ届きにくくなり、さらに人工鼻の目詰まりや抵抗増加を起こすおそれがあります。ネブライザ使用時は、人工鼻を一時的に外すなどの対応が必要です。

3.誤り。
人工鼻は呼気中の熱と水分を回収して吸気へ戻す器具であり、加湿過剰になりやすいわけではありません。むしろ、条件によっては加湿不足となり、分泌物の粘稠化やチューブ閉塞に注意が必要です。

4.誤り。
人工鼻は電気的に加熱する器具ではないため、通常、気道粘膜の熱傷の原因にはなりません。熱傷リスクが問題になるのは、加温加湿器の温度管理異常などを考える場面です。

5.誤り。
痰の粘稠度が高い症例では、人工鼻の閉塞や加湿不足が問題になりやすいため、使用には注意が必要です。分泌物が多い場合や粘稠な場合は、加温加湿器の使用を検討します。

覚えるポイント

  • 人工鼻は、呼気中の熱と水分を回収して吸気へ戻す器具である。
  • 人工鼻を装着すると、死腔が増加する。
  • 人工鼻はネブライザと原則併用しない。
  • 人工鼻は加湿過剰よりも、加湿不足や閉塞に注意する。
  • 痰が多い症例や粘稠な症例では、人工鼻の閉塞に注意する。
  • 人工呼吸器管理では、加温加湿、死腔、気道抵抗、分泌物管理をセットで考える。

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