9PM122第9回 公認心理師国家試験 過去問

心理学基礎-10 感情理論・情動知能・身体信号

身体信号が速やかな意思決定を可能にし、適応に貢献するとされている感情理論として、最も適切なものを 1 つ選べ。

解答・解説を見る

正解: 4

正答

4

この問題のポイント

この問題では、身体信号意思決定を結びつける感情理論が問われています。

身体の変化や情動に伴う信号が、選択肢のよしあしを素早く判断する手がかりになると考える理論は、ソマティック・マーカー仮説です。

解説

ソマティック・マーカー仮説は、A. Damasio が提唱した理論として知られています。過去の経験に結びついた身体反応が、意思決定の場面で「これは危険そうだ」「こちらはよさそうだ」という判断を助けると考えます。

たとえば、ある選択を考えたときに不快な身体感覚が生じると、その選択を避ける方向に働きます。逆に、安心感や期待感を伴う身体信号は、その選択を促すことがあります。このような身体信号が、複雑な状況での速やかな意思決定に役立つとされます。

公認心理師国家試験では、感情理論の違いを押さえることが重要です。

  • キャノン・バード説:情動体験と身体反応は同時に生じる
  • 顔面フィードバック仮説:表情の変化が情動体験に影響する
  • シャクター・シンガー説:身体的喚起と認知的評価によって情動が生じる
  • ソマティック・マーカー仮説:身体信号が意思決定を導く

ひっかけポイント
「身体反応」が出てくる理論は複数あります。意思決定、適応、身体信号というキーワードが出たら、ソマティック・マーカー仮説を考えます。

選択肢の確認

1.キャノン・バード説
判定:適切とはいえない。
キャノン・バード説は、情動体験と身体反応が同時に生じると考える理論です。身体信号が意思決定を速やかに導くという説明ではありません。

2.顔面フィードバック仮説
判定:適切とはいえない。
顔面フィードバック仮説は、表情筋の動きなど顔面の変化が情動体験に影響するという考え方です。意思決定を身体信号が導く理論としては不十分です。

3.シャクター・シンガー説
判定:適切とはいえない。
シャクター・シンガー説は、情動は身体的喚起と、その喚起をどう解釈するかという認知的評価によって生じると考えます。意思決定における身体信号の役割を中心にした理論ではありません。

4.ソマティック・マーカー仮説
判定:最も適切。
ソマティック・マーカー仮説は、過去の経験と結びついた身体信号が、意思決定を速やかに導き、適応に貢献すると考えます。問題文の「身体信号」「速やかな意思決定」「適応に貢献」という内容に最も合います。

覚えるポイント

  • ソマティック・マーカー仮説は、身体信号が意思決定を助けるという理論です。
  • キャノン・バード説は、情動体験と身体反応の同時発生を説明します。
  • 顔面フィードバック仮説は、表情が情動体験に影響するという考え方です。
  • シャクター・シンガー説は、身体的喚起と認知的評価を重視します。
  • 感情理論は、代表的キーワードと具体例をセットで覚えると判別しやすくなります。

関連問題

9PM1219PM123
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)