9PM105|第9回 公認心理師国家試験 過去問
成功達成欲求が強い者は難易度が中程度の課題で、失敗回避欲求が強い者は容易又は困難な課題で、それぞれ意欲が高まるとする理論として、正しいものを 1 つ選べ。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
この問題では、課題の難易度と達成動機づけの関係を説明する、J. W. Atkinson の達成動機づけ理論が問われています。
成功達成欲求が強い人は中程度の難易度の課題を好み、失敗回避欲求が強い人は容易な課題や非常に困難な課題を選びやすいとされます。
解説
J. W. Atkinson の達成動機づけ理論では、人の達成行動は、成功したいという欲求と、失敗を避けたいという欲求の影響を受けると考えます。
成功達成欲求が強い人は、成功の可能性が適度にあり、成功したときに達成感が得られる中程度の難易度の課題で意欲が高まりやすいとされます。簡単すぎる課題では達成感が少なく、難しすぎる課題では成功可能性が低いためです。
一方、失敗回避欲求が強い人は、失敗による不安や自己評価の低下を避けようとします。そのため、失敗しにくい非常に容易な課題、または失敗しても「難しすぎたから」と説明しやすい非常に困難な課題を選びやすいとされます。
ひっかけポイント
Atkinson は「達成動機づけ」と「課題の難易度」の関係で覚えます。成功したい人は中程度、失敗を避けたい人は簡単または難しすぎる課題を選びやすいと整理します。
教育や産業の場では、本人にとって少し頑張れば達成できる課題設定が、意欲や自己効力感を高めるうえで重要です。
選択肢の確認
1.B. Weiner の原因帰属理論
判定:誤り。
B. Weiner の原因帰属理論は、成功や失敗の原因を、内的・外的、安定的・不安定的、統制可能・統制不能などの次元で捉え、感情や動機づけに影響すると考えます。本問の課題難易度と成功達成欲求・失敗回避欲求の関係は Atkinson の理論です。
2.A. H. Maslow の欲求階層説
判定:誤り。
Maslow の欲求階層説は、生理的欲求、安全欲求、所属と愛の欲求、承認欲求、自己実現欲求などの階層を説明する理論です。課題の難易度と達成動機づけの関係を説明する理論ではありません。
3.R. J. Havighurst による発達課題
判定:誤り。
Havighurst は、人生の各発達段階で達成すべき発達課題を示しました。教育や発達理解で重要ですが、本問の成功達成欲求と失敗回避欲求による課題選択の理論ではありません。
4.J. W. Atkinson の達成動機づけ理論
判定:正しい。
Atkinson の達成動機づけ理論では、成功達成欲求が強い人は中程度の難易度の課題で意欲が高まり、失敗回避欲求が強い人は容易または困難な課題を選びやすいとされます。本問の説明に合致します。
5.E. L. Deci と R. M. Ryan の自己決定理論
判定:誤り。
自己決定理論は、自律性、有能感、関係性の欲求を重視し、内発的動機づけや外発的動機づけを説明する理論です。本問の課題難易度と達成動機の関係を説明するものではありません。
覚えるポイント
- Atkinson は、達成動機づけ理論と課題難易度で覚えます。
- 成功達成欲求が強い人は、中程度の難易度の課題で意欲が高まりやすいです。
- 失敗回避欲求が強い人は、容易な課題や非常に困難な課題を選びやすいです。
- Weiner は原因帰属理論、Deci と Ryan は自己決定理論です。