7PM138第7回 公認心理師国家試験 過去問

発達心理学-12 高齢者支援制度と老年期アセスメント

[7PM138] 65 歳の男性A、自営業。家族に連れられて精神科クリニックを受診した。家族によると、Aは、3 年前から、睡眠中に大声を出したり、手足を振り回したりするようになった。また、1 年前から孫の名前を思い出せなくなり、日常生活での物忘れも増えたが、後で思い出すことも多かった。この頃から、Aは、「廊下で子どもが遊んでいる」、「靴から虫がたくさん出てくる」、「自分の布団に子どもが寝ている」などと訴えるようになったが、家族が確認してもその事実はなかった。さらに、散歩中に足が動きにくくなり転倒が増えた。絵画教室にも通っていたが、以前のようには描けなくなり、いらいらすることも増えた。 Aの病態の理解として、最も適切なものを 1 つ選べ。

解答・解説を見る

正解: 3

正答

3

この問題のポイント

この問題では、認知症の事例からLewy 小体型認知症を判断することが問われています。

事例のキーワードは、「睡眠中に大声を出す、手足を振り回す」「具体的な幻視」「パーキンソニズム」「転倒」「視空間認知の低下」です。

解説

Lewy 小体型認知症では、認知機能の変動、具体的な幻視、パーキンソニズム、レム睡眠行動障害などが特徴としてみられます。

Aは、3年前から睡眠中に大声を出したり手足を振り回したりしています。これは、レム睡眠行動障害を疑う所見です。

また、「廊下で子どもが遊んでいる」「靴から虫がたくさん出てくる」「自分の布団に子どもが寝ている」など、具体的でありありとした幻視がみられています。さらに、足が動きにくくなり転倒が増えており、パーキンソニズムも疑われます。

絵画教室で以前のように描けなくなったことは、視空間認知や構成能力の低下とも関連します。これらを総合すると、Lewy 小体型認知症が最も適切です。

事例問題で見るポイント
Lewy 小体型認知症では、記憶障害だけでなく、幻視、レム睡眠行動障害、パーキンソニズム、認知機能の変動を確認します。

選択肢の確認

1.統合失調症
判定:適切とはいえない。
統合失調症では幻覚や妄想がみられますが、Aは65歳で、睡眠中の異常行動、具体的幻視、パーキンソニズム、認知機能低下がみられています。統合失調症よりLewy 小体型認知症が適切です。

2.前頭側頭型認知症
判定:適切とはいえない。
前頭側頭型認知症では、脱抑制、常同行動、共感性の低下、人格変化、言語障害などが目立ちます。本事例では具体的幻視、レム睡眠行動障害、パーキンソニズムが中心であり、Lewy 小体型認知症が適切です。

3.Lewy 小体型認知症
判定:最も適切。
具体的な幻視、レム睡眠行動障害を疑う睡眠中の異常行動、足の動きにくさや転倒などのパーキンソニズムがみられています。Lewy 小体型認知症として理解するのが最も適切です。

4.Alzheimer 型認知症
判定:適切とはいえない。
Alzheimer 型認知症では、近時記憶障害を中心に徐々に進行する認知機能低下が目立ちます。Aにも物忘れはありますが、具体的幻視、睡眠中の異常行動、パーキンソニズムが目立つため、Lewy 小体型認知症がより適切です。

5.変換症/転換性障害(機能性神経症状症)
判定:適切とはいえない。
変換症/転換性障害では、神経疾患では説明しにくい運動症状や感覚症状がみられます。本事例は認知機能低下、幻視、睡眠行動、パーキンソニズムを含む神経認知障害として理解するのが適切です。

覚えるポイント

  • Lewy 小体型認知症では、具体的な幻視が重要です。
  • レム睡眠行動障害パーキンソニズムも重要な手がかりです。
  • Alzheimer 型認知症との違いは、幻視、認知の変動、睡眠行動、運動症状で整理します。

関連問題

7PM1377PM139
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)