38Q86第38回 介護福祉士国家試験 過去問

こころとからだのしくみ認知症の理解

次のうち、認知症(dementia)の人の生活をアセスメントするうえで、身体的要因に含まれる項目として、適切なものを1つ選びなさい。

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正解: 4

正答

4.IADL(Instrumental Activities of Daily Living:手段的日常生活動作)

この問題のポイント

認知症の人の生活を、身体的要因、心理・個人的要因、環境要因、社会的要因に分けて整理する問題です。

この問題では、買物、調理、服薬管理、金銭管理などを行う力であるIADLが、本人の身体・生活機能に関する項目として扱われます。

解説

認知症の人の生活をアセスメントするときは、認知症の診断名や認知機能だけを見るのでは不十分です。健康状態、感覚機能、運動機能、ADL・IADL、気分、性格、生活歴、住環境、家族や支援者との関係、地域とのつながりなどを総合的に確認します。

IADLは、Instrumental Activities of Daily Livingの略で、手段的日常生活動作と訳されます。電話を使う、交通機関を利用する、買物をする、食事を準備する、洗濯や掃除をする、服薬を管理する、金銭を管理するといった、地域や家庭で自立した生活を送るための複雑な生活行為です。

この設問の分類では、IADLは本人が生活行為をどの程度行えるかという身体・生活機能に関する項目です。実際のIADLは、筋力や視聴覚だけでなく、記憶、判断、遂行機能、環境、経験などの影響も受けます。そのため、「できる・できない」だけでなく、どの工程ならできるか、どのような支援や環境があればできるかを確認します。

性格は本人の個人的・心理的要因です。居住環境は物理的環境、人的環境は家族や支援者など周囲の人に関する環境要因です。社会とのつながりは、参加や社会的関係に関する要因です。

ひっかけポイント
IADLは身体の動きだけではありませんが、本人の生活機能を表す項目です。居住環境や人的環境といった「周囲の条件」ではなく、本人が生活行為を行う力として区別します。

介護実践でのポイント
IADLが低下していても、すべてを代行する必要はありません。たとえば調理では、献立を考えることは難しくても、野菜を洗う、混ぜる、盛りつけるなどはできる場合があります。本人の希望と安全を確認し、できる工程を生かして必要な部分だけを支援します。

選択肢の確認

1.性格
適切ではありません。
性格は、本人の個人的・心理的要因として把握します。認知症になる前からの性格や大切にしてきた価値観は、本人の反応や望む支援を理解するうえで重要ですが、この問題の身体的要因には含まれません。

2.居住環境
適切ではありません。
居室の広さ、段差、照明、騒音、家具の配置、表示のわかりやすさなどの居住環境は、物理的な環境要因です。

3.人的環境
適切ではありません。
家族、友人、近隣住民、介護職など、本人の周囲にいる人と、その人たちのかかわり方は人的環境に含まれます。

4.IADL(Instrumental Activities of Daily Living:手段的日常生活動作)
正答。最も適切です。
IADLは、買物、調理、服薬管理、金銭管理など、地域生活に必要な複雑な生活行為を行う力です。この問題では、本人の身体・生活機能に関する要因として扱われます。

5.社会とのつながり
適切ではありません。
家族や友人との交流、地域活動、仕事や役割、社会参加などは社会的要因です。孤立の有無や本人が大切にしている役割を確認することが重要です。

覚えるポイント

ADLは、食事、更衣、移動、排泄、入浴などの基本的な日常生活動作です。

IADLは、買物、調理、服薬管理、金銭管理、交通機関の利用などの複雑な生活行為です。

性格は個人的・心理的要因、居住環境と人的環境は環境要因、社会とのつながりは社会的要因です。

アセスメントでは、できないことだけでなく、できること、本人の希望、支えになる環境を確認します。

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