38Q85第38回 介護福祉士国家試験 過去問

こころとからだのしくみ認知症の理解

次のうち、レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)の症状として、最も適切なものを1つ選びなさい。

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正解: 2

正答

2.自律神経症状による起立性低血圧(orthostatic hypotension)

この問題のポイント

レビー小体型認知症に特徴的な症状を、他の認知症や神経症状と区別する問題です。

レビー小体型認知症では、認知機能の変動、具体的で繰り返す幻視、パーキンソニズム、レム睡眠行動障害に加えて、起立性低血圧、便秘、排尿障害などの自律神経症状がみられることがあります。

解説

レビー小体型認知症は、認知機能の低下だけでなく、さまざまな運動症状、精神症状、睡眠症状、自律神経症状を伴うことが特徴です。

自律神経は、血圧、脈拍、発汗、消化管の動き、排尿などを無意識に調節しています。レビー小体型認知症では自律神経の働きが障害され、立ち上がったときに血圧が低下して、めまい、ふらつき、目の前が暗くなる、失神などを生じる起立性低血圧がみられることがあります。これは転倒の危険にもつながるため、介護場面での観察が重要です。

睡眠症状では、レム睡眠中に本来みられる筋肉の力の低下が不十分となり、夢の内容に合わせて大声を出す、手足を動かすなどのレム睡眠行動障害が特徴です。「ノンレム睡眠行動障害」ではありません。

幻覚では、実際にはいない人や動物がはっきり見えるような、具体的で繰り返す幻視がよく知られています。幻聴がみられる場合もありますが、聴覚認知機能の障害による幻聴という説明は適切ではありません。

意味性失語は、言葉の意味がわからなくなる症状で、前頭側頭葉変性症の一型である意味性認知症などとの関連が重要です。レビー小体型認知症を代表する説明ではありません。

ひっかけポイント
レビー小体型認知症の睡眠症状は「レム睡眠行動障害」です。「ノンレム」と入れ替えた選択肢に注意します。

介護実践でのポイント
起き上がりや立ち上がりは急がせず、端座位でふらつきや顔色を確認してから立位へ移ります。めまい、失神、転倒、血圧変化がある場合は看護職へ報告します。介護福祉職が薬の変更や治療判断を独断で行うことはありません。

選択肢の確認

1.ノンレム睡眠行動障害による大声
適切ではありません。
レビー小体型認知症で特徴的なのは、夢に合わせて声を出したり身体を動かしたりするレム睡眠行動障害です。「ノンレム睡眠行動障害」という説明が誤りです。

2.自律神経症状による起立性低血圧(orthostatic hypotension)
正答。最も適切です。
レビー小体型認知症では自律神経障害がみられ、起立性低血圧、便秘、発汗異常、排尿障害などを生じることがあります。

3.聴覚認知機能の障害による幻聴
適切ではありません。
レビー小体型認知症では幻聴がみられることもありますが、特徴的なのは具体的で繰り返す幻視です。また、幻聴を単純に聴覚認知機能の障害によるものと説明するのは適切ではありません。

4.側頭葉の萎縮による意味性失語
適切ではありません。
言葉の意味が理解しにくくなる意味性失語は、前頭側頭葉変性症の一型である意味性認知症などで特徴的です。レビー小体型認知症の代表的症状ではありません。

5.嚥下機能{えんげきのう}の促進による食欲増加
適切ではありません。
レビー小体型認知症では、パーキンソニズムなどに伴って嚥下機能が低下することがあります。嚥下機能が促進して食欲が増加することを特徴とする病気ではありません。

覚えるポイント

レビー小体型認知症の主な特徴は、認知機能の変動、具体的で繰り返す幻視、パーキンソニズム、レム睡眠行動障害です。

自律神経症状として、起立性低血圧、便秘、排尿障害などがみられます。

起立性低血圧は、ふらつき、失神、転倒につながるため、体位変換時の観察と報告が重要です。

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