38Q82|第38回 介護福祉士国家試験 過去問
次の記述のうち、認知症(dementia)の人への取り組みとその説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を見る
正解: 1
正答
1.本人ミーティングでは、当事者たちが語り合い社会に発信も行う。
この問題のポイント
認知症に関する各機関・取り組みの「誰が、何をするのか」を区別する問題です。
本人ミーティングは、認知症の本人どうしが体験、希望、必要な支援などを語り合い、その声を地域や社会へ届ける取り組みです。
解説
本人ミーティングは、認知症の本人が集まり、自分たちの体験や思い、暮らしの工夫、地域に望むことを本人の言葉で語り合う場です。本人どうしがつながるだけでなく、そこで出された意見を行政、支援者、地域住民などへ発信し、本人の声を施策や地域づくりに生かすことも目的としています。
認知症初期集中支援チームは、認知症が疑われる人や認知症の人、その家族を訪問し、複数の専門職がアセスメント、受診への支援、生活環境の調整、家族支援などを一定期間集中的に行います。要介護認定を行う組織ではありません。
若年性認知症支援コーディネーターは、本人や家族の相談に応じ、医療、介護、障害福祉、就労、経済的支援、居場所づくりなどの関係機関をつなぐ調整役です。認知症の医学的診断は医師が行います。
認知症疾患医療センターは、認知症の鑑別診断、専門医療相談、身体合併症や行動・心理症状への対応、地域の医療・介護機関との連携などを担う専門医療機関です。地域ケア会議に参加・協力することはありますが、地域ケア会議を開催することがこのセンター固有の役割ではありません。
認知症カフェは、認知症の本人、家族、地域住民、専門職などが気軽に集まり、交流や相談、情報交換を行う場です。認知症介護指導者を養成する研修機関ではありません。
ひっかけポイント
「診断」は医療機関・医師、「要介護認定」は市町村、「相談と関係機関の調整」はコーディネーターや支援チーム、「本人の声を語り合い発信する」のは本人ミーティングと整理します。
介護実践でのポイント
認知症施策では、専門職が本人の代わりに意見を決めるのではなく、本人が何を大切にし、どのように暮らしたいかを直接聴くことが重要です。言葉で表しにくい場合も、表情、行動、生活歴、選択の様子などから意思を丁寧に確認します。
選択肢の確認
1.本人ミーティングでは、当事者たちが語り合い社会に発信も行う。
正答。最も適切です。
本人ミーティングは、認知症の本人どうしが思いや希望を語り合い、その声を地域づくりや施策へ生かすために社会へ発信する取り組みです。
2.認知症初期集中支援チームは、要介護認定を行う。
適切ではありません。
認知症初期集中支援チームは、訪問によるアセスメント、受診支援、家族支援、医療・介護サービスへの接続などを行います。要介護認定の保険者は市町村であり、認定調査や介護認定審査会の手続きを経て判定されます。
3.若年性認知症支援コーディネーターは、認知症(dementia)の診断を行う。
適切ではありません。
若年性認知症支援コーディネーターは、相談支援と関係機関の調整を行います。医学的な診断は医師が行い、コーディネーターは必要に応じて専門医療機関への受診につなぎます。
4.認知症疾患医療センターは、地域ケア会議を開催する。
適切ではありません。
認知症疾患医療センターの中心的な役割は、鑑別診断、専門医療相談、診断後支援、地域の医療・介護連携です。地域ケア会議は、市町村や地域包括支援センターを中心に行われる地域支援の仕組みであり、センターが参加することはあっても、開催主体としての固有業務を示した説明ではありません。
5.認知症カフェは、認知症介護指導者を養成する。
適切ではありません。
認知症カフェは、本人、家族、地域住民、専門職などが交流し、相談や情報交換を行う地域の居場所です。認知症介護指導者の養成は、所定の認知症介護指導者養成研修によって行われます。
覚えるポイント
本人ミーティングは、本人どうしが語り合い、本人の声を社会へ発信する場です。
認知症初期集中支援チームは、訪問、アセスメント、受診支援、家族支援を集中的に行います。
若年性認知症支援コーディネーターは、就労や生活を含む相談と連携調整を担います。
認知症疾患医療センターは、鑑別診断と専門医療相談の拠点です。
認知症カフェは、本人・家族・地域住民・専門職が交流する地域の居場所です。