37Q95|第37回 介護福祉士国家試験 過去問
次のうち、同居の高齢者におむつを使用する家族介護者に対する、介護福祉職の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 1
正答
1.「使用する本人の羞恥心に気を配りましょう」
この問題のポイント
おむつは排泄を受け止める用具であり、失禁そのものを予防するものではありません。使用するときは、本人の尊厳、羞恥心、皮膚の状態、排泄の自立可能性に配慮します。
家族や介護者の都合ではなく、本人の状態と希望を中心に、必要な場面で適切な種類を選ぶことが基本です。
解説
排泄はきわめて私的な行為です。おむつの交換では下半身を露出するため、本人が恥ずかしさや屈辱感を抱くことがあります。家族介護であっても、交換前に説明して同意を得る、扉やカーテンを閉める、必要な部分だけを露出する、落ち着いた言葉で声をかけるなど、羞恥心と尊厳への配慮が必要です。
おむつは、尿や便を受け止めて衣類や寝具の汚染を防ぐための用具です。装着しても尿失禁の原因が改善するわけではなく、排泄のタイミングや方法によっては、かえってトイレで排泄する機会を失わせることがあります。本人の排泄能力を評価し、トイレ誘導、ポータブルトイレ、尿器、パッドなども含め、できるだけ制限の少ない方法を選びます。
長時間同じおむつを使用すると、尿や便による湿潤と刺激で皮膚が傷つき、失禁関連皮膚炎や感染、臭い、不快感の原因になります。排泄状況を確認し、汚染時は速やかに交換して、陰部を清潔に保ちます。尿量や排泄パターンを観察・記録することは、脱水、尿路感染、便秘などの変化に気づくうえでも重要です。
ひっかけポイント
「おむつを着ければ安心」「家族が楽になる」という介護者側の視点だけで選ばないようにします。おむつは必要性を評価して最小限に使い、本人の意思と残存能力を尊重します。
介護実践でのポイント
おむつを使う場合も、交換の時間を一律に決めるだけでなく、本人の排泄リズム、尿量、皮膚状態に合わせます。本人の前で排泄を否定的に語ったり、子ども扱いしたりしないことも大切です。
選択肢の確認
1.「使用する本人の羞恥心に気を配りましょう」
正しいです。 おむつの使用や交換は私的な排泄行為に関わるため、説明と同意、露出の最小化、遮蔽などによって、本人の羞恥心と尊厳に配慮します。
2.「尿失禁を防ぐことができます」
誤りです。 おむつは漏れた尿を受け止める用具であり、尿失禁の原因や失禁そのものを防ぐものではありません。
3.「尿量を気にせずに、1日中同じおむつを使うことができます」
誤りです。 長時間同じおむつを使うと、不快感、漏れ、臭い、皮膚障害などの危険が高まります。排泄量や汚染を確認し、状態に応じて交換します。
4.「おむつを着けると、安心して排泄{はいせつ}ができます」
誤りです。 おむつの装着がすべての人に安心をもたらすわけではなく、羞恥心や不快感を生じたり、トイレで排泄する機会を奪ったりすることがあります。本人の希望と状態を確認します。
5.「家族の都合に合わせて、おむつを使いましょう」
誤りです。 おむつの使用は家族の都合だけで決めず、本人の意思、排泄能力、生活状況を中心に必要性を判断します。
覚えるポイント
- おむつは失禁を「防ぐ」のではなく、排泄物を「受け止める」用具である。
- 排泄介護では、本人の羞恥心と尊厳を守る。
- おむつは本人の状態に合うものを必要な範囲で使用し、汚染時は適切に交換する。
- トイレ誘導など、本人の残存能力を生かせる方法も検討する。
- 介護者の都合だけでなく、本人の意思と生活を中心に考える。