34Q40|第34回 介護福祉士国家試験 過去問
経管栄養を行っている利用者への口腔(こうくう)ケアに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を見る
正解: 2
正答
2.上顎部は、口腔(こうくう)の奥から手前に向かって清拭する。
この問題のポイント
経管栄養で口から食べていない利用者にも、口腔ケアは必要です。口腔内の汚れと細菌を除去し、乾燥を防ぐことは、誤嚥性肺炎の予防、粘膜の保護、口腔内の爽快感の維持につながります。
誤嚥を防ぐため、使用する水分は最小限にし、汚れを咽頭側へ押し込まないように奥から手前へ清拭します。
解説
経管栄養を行っていても、唾液、剥がれた粘膜、細菌などによって口腔内は汚れます。経口摂取や咀嚼が減ることで唾液の分泌や口腔の自浄作用が低下し、乾燥や舌苔、歯垢が生じやすくなるため、継続した口腔ケアが必要です。
上顎部を清拭するときは、口腔の奥から手前、すなわち口の入口側へ向かって汚れをからめ取ります。汚れを咽頭側へ押し込まずに口腔外へ除去しやすくする方法です。
スポンジブラシは水で湿らせた後、余分な水分を十分に絞ってから使用します。大量の水を含ませると、水分や剥がれた汚れを誤嚥する危険が高まります。清拭中も、スポンジブラシが汚れたら洗うか交換し、水分を絞り直します。
栄養剤の注入直後は、口腔への刺激によって悪心、嘔吐、逆流が起こり、誤嚥につながる可能性があります。直後は避け、本人の状態と個別のケア計画に応じて、注入前や十分に時間を空けた時点で行います。
口腔内を乾燥させると、粘膜が傷つきやすくなり、細菌や汚れも付着しやすくなります。ケア後は汚れや余分な水分を除去しつつ、必要に応じて保湿剤を用いるなどして口腔内の湿潤を保ちます。
ひっかけポイント
「口から食べていないから口腔内は汚れない」は誤りです。経管栄養では口腔の自浄作用が低下しやすいため、口腔ケアと保湿がより重要になります。また、清拭の方向は汚れを奥へ押し込まない「奥から手前」です。
介護実践でのポイント
本人に説明して同意を得たうえで、誤嚥しにくい姿勢を整えます。口腔内を観察し、水分をよく絞った器具で奥から手前へ清拭します。むせ、咳き込み、呼吸状態の変化、出血、粘膜損傷などがあれば直ちに中止し、医療職へ報告します。
選択肢の確認
1.スポンジブラシは水を大量に含ませて使用する。
誤りです。
大量の水分は誤嚥の危険を高めます。スポンジブラシは湿らせた後、余分な水分を十分に絞って使用します。
2.上顎部は、口腔(こうくう)の奥から手前に向かって清拭する。
正しいです。
汚れを咽頭側へ押し込まず、口の入口側へ集めて除去しやすくするため、上顎部は奥から手前へ清拭します。
3.栄養剤注入後すぐに実施する。
誤りです。
注入直後は、口腔への刺激による悪心・嘔吐や栄養剤の逆流が起こり、誤嚥する危険があります。本人の状態に応じ、注入直後を避けて実施します。
4.口腔内(こうくうない)を乾燥させて終了する。
誤りです。
口腔内の乾燥は、粘膜損傷や汚れの付着を招きます。ケア後は必要に応じて保湿し、口腔内の湿潤を保ちます。
5.空腹時の口腔(こうくう)ケアは避ける。
誤りです。
空腹時であることだけを理由に避ける必要はありません。経管栄養の注入直後を避け、本人の状態やケア計画に合った安全な時期に行います。
覚えるポイント
- 経管栄養中でも、口腔ケアは必要である。
- スポンジブラシは湿らせた後、余分な水分を十分に絞る。
- 口腔内は奥から手前へ清拭し、汚れを咽頭側へ押し込まない。
- 栄養剤の注入直後は、逆流・嘔吐・誤嚥の危険があるため避ける。
- 口腔内を乾燥させず、必要に応じて保湿する。