34Q35第34回 介護福祉士国家試験 過去問

介護生活支援技術

老化に伴う機能低下のある高齢者の住まいに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 1

正答

1.寝室はトイレに近い場所が望ましい。

この問題のポイント

老化に伴って、歩行能力、バランス、視覚、聴覚などが低下すると、住環境が転倒や生活上の不便につながりやすくなります。寝室をトイレの近くに配置して移動距離を短くすることは、夜間の排泄を安全にし、自立を支える住環境整備です。

解説

高齢者の住まいは、本人の生活習慣や身体機能に合わせ、移動しやすさ、安全性、分かりやすさ、快適性を確保することが大切です。夜間は暗く、覚醒も不十分になりやすいため、寝室からトイレまでの距離が長いほど、転倒や排泄の失敗につながる可能性が高まります。寝室とトイレを近くにし、通路の障害物や段差をなくし、必要な照明や手すりを整えることが有効です。

生活の中心となる寝室、居間、トイレ、浴室、玄関などは、可能な範囲で同じ階にまとめると移動の負担を減らせます。また、夜間の寝室には静穏な環境が必要であり、80dBは安眠のための上限として高すぎます。

照明は必要な明るさを確保しながら、まぶしさや強い陰影を避けます。高齢になると視力や明暗への順応、色の識別が低下しやすいため、手すりは壁と見分けやすい色にして位置を認識しやすくします。

ひっかけポイント

「80dB以下」には小さい音も含まれるため、一見安全そうに見えます。しかし、住環境の上限として80dBを設定するのは高すぎ、安眠に適した基準にはなりません。また、手すりを壁と同色にすると統一感は出ても、機能低下のある高齢者には見つけにくくなります。

介護実践でのポイント

住環境を整えるときは、一般的な正解を一律に当てはめず、本人が実際に夜間トイレへ移動する様子を確認します。動線上の段差や物品、床の滑りやすさ、照明スイッチの位置、手すりの必要性、履物などを評価し、本人の慣れた生活を保ちながら安全性を高めます。

選択肢の確認

1.寝室はトイレに近い場所が望ましい。

正しいです。
寝室とトイレの距離を短くすると、特に夜間の移動負担を減らし、転倒や排泄の失敗を予防しながら、自分で排泄することを支えられます。

2.寝室は玄関と別の階にする。

誤りです。
玄関と別の階にすると、外出時に階段などの垂直移動が必要になり、身体機能が低下した高齢者の負担や転倒リスクが増します。可能であれば、日常的に使う場所を同じ階にまとめます。

3.夜間の騒音レベルは80dB以下になるようにする。

誤りです。
80dBは夜間の寝室環境として高すぎます。睡眠を妨げないよう、寝室は十分に静かな環境に整える必要があります。

4.ベッドは照明の真下に配置する。

誤りです。
照明の真下では、仰向けになったときに光源が直接目に入り、まぶしさを感じやすくなります。必要な明るさを確保しつつ、直接のまぶしさを避け、夜間の移動に使える足元灯なども検討します。

5.壁紙と手すりは同色にするのが望ましい。

誤りです。
壁と手すりを同色にすると境界が分かりにくくなります。視機能が低下していても手すりを認識しやすいよう、壁との色のコントラストをつけることが望まれます。

覚えるポイント

  • 寝室はトイレの近くに配置し、夜間の移動距離を短くする。
  • 日常的に使う生活空間は、可能な範囲で同じ階にまとめる。
  • 夜間の寝室は静穏な環境にし、80dBを基準にしない。
  • 照明は明るさだけでなく、まぶしさや陰影にも配慮する。
  • 手すりは壁と区別しやすい色にする。
  • 本人の機能、生活習慣、実際の動線を確認して住環境を調整する。

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