37Q96|第37回 介護福祉士国家試験 過去問
次の記述のうち、ポータブルトイレを使用するときの排泄{はいせつ}の介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 3
正答
3.ポータブルトイレには、前かがみになって座ってもらう。
この問題のポイント
ポータブルトイレで排泄するときは、足底を床につけ、やや前かがみの安定した座位を整えます。この姿勢は腹圧をかけやすく、排便しやすい姿勢です。
安全だけでなく、プライバシー、自分でできる動作、排泄後の清潔にも配慮します。
解説
ポータブルトイレは、トイレまで移動することが難しい人が、ベッドの近くで座って排泄するために使用します。利用前には、本人の移乗能力、立位・座位の安定性、麻痺や痛み、排泄動作を確認し、ベッドから移りやすい位置と向きに設置します。ぐらつきがないこと、高さが本人に合っていること、足底が床につくことも確認します。
排便時は、足底をしっかり支持し、上体をやや前に傾けると、腹圧をかけやすくなります。転倒しない範囲で前かがみになり、必要に応じて手すりやひじ掛けを使います。極端に前へ倒れたり、足が浮いたりしないように見守ります。
衣類は、移乗中の転倒や不要な露出を防ぐため、安全に立位がとれる場合はポータブルトイレの前で必要な範囲まで下ろします。排泄中は、ナースコールや呼び出しベル、トイレットペーパーなどを手の届く位置に置き、安全を確保できる範囲で介護福祉職は離れ、プライバシーを守ります。ただし、座位が不安定な人から離れてはいけません。
排泄後の陰部清拭は、可能であればポータブルトイレに座ったまま、本人ができる部分は自分で行えるように支援します。清拭後は衣類を整え、安全にベッドへ戻り、便や尿の量・性状、体調を観察します。
ひっかけポイント
「常にそばにいることが安全」とは限りません。排泄中に必要以上に近くで待つことは羞恥心を強めます。本人の転倒リスクに応じて、安全とプライバシーを両立させます。
介護実践でのポイント
ポータブルトイレの下には、防水性があり滑りにくく清拭できるマットを用います。新聞紙は滑ったり、尿がしみ込んで衛生を保てなかったりするため適しません。
選択肢の確認
1.ポータブルトイレの下に新聞紙を敷く。
誤りです。 新聞紙は滑りやすく、尿などがしみ込むと不衛生です。必要な場合は、防水性があり滑りにくく清拭できる専用マットを使用します。
2.ベッドで臥床{がしょう}している状態で、ズボンや下着をおろす。
誤りです。 臥床したまま衣類を下ろすと、移乗時に衣類がからんで転倒しやすくなり、不要な露出時間も長くなります。安全に立位をとれる場合は、ポータブルトイレの前で必要な範囲まで下ろします。
3.ポータブルトイレには、前かがみになって座ってもらう。
正しいです。 足底を支持してやや前かがみになると、安定した座位を保ちながら腹圧をかけやすくなり、排便しやすくなります。
4.排泄{はいせつ}が終わるまで、ポータブルトイレの後ろに立って待つ。
誤りです。 排泄中ずっと近くで待つと、本人の羞恥心や緊張を強めます。安全を確認し、呼び出し手段を整えたうえで、本人の状態に応じて適切な距離を取ります。
5.排泄後{はいせつご}の陰部の清拭は、ベッドの上で行う。
誤りです。 座位を保てる人は、ポータブルトイレに座ったまま陰部を清拭するほうが、移動や再度の露出を減らせます。本人ができる部分は自分で行えるように支援します。
覚えるポイント
- ポータブルトイレは、移乗しやすい位置に安定して設置する。
- 足底を床につけ、やや前かがみの排便しやすい姿勢を整える。
- 衣類は安全を確保しながら、排泄直前に必要な範囲まで下ろす。
- 排泄中は、転倒リスクに応じて安全とプライバシーを両立させる。
- 排泄後は清潔を保ち、便・尿の量や性状、体調を観察する。