37Q94第37回 介護福祉士国家試験 過去問

介護生活支援技術

次の記述のうち、体調不良で入浴できない片麻痺{かたまひ}の利用者に対して、ベッド上で行う全身清拭の方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。

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正解: 5

正答

5.蒸しタオルで拭いた後は、乾いたタオルで水分を拭き取る。

この問題のポイント

全身清拭では、身体を清潔にするだけでなく、冷えや疲労を防ぎ、安全で安楽に行うことが重要です。蒸しタオルで拭いた後に残った水分は、乾いたタオルで十分に拭き取ります。

片麻痺のある人では、麻痺側の肩や手足を無理に動かさず、安全な体位を整えることも必要です。

解説

全身清拭は、入浴できないときに温かいタオルなどで全身を拭き、皮膚の清潔を保つ援助です。皮膚の汚れを除くだけでなく、血行を促し、爽快感をもたらす一方、広い範囲の皮膚を露出するため、室温やプライバシーへの配慮が欠かせません。

実施前には体温、血圧、顔色、呼吸、痛み、疲労などを確認し、体調不良の程度によっては全身清拭ではなく部分清拭に変更します。室内を暖かくし、窓や扉を閉め、拭いていない部分はバスタオルなどで覆います。お湯はタオルに含ませて絞る間にも冷めるため、一般に洗面器には50〜55℃程度の湯を準備し、介護福祉職が自分の前腕内側などで温度を確かめたうえで、本人にも熱くないか確認します。

清潔な部分から汚れやすい部分へ進めることが基本で、通常は顔、首、上肢、胸部、腹部、下肢、背部、陰部などの順に、露出を最小限にしながら行います。蒸しタオルで拭いた後に水分が残ると、気化熱によって身体が冷えたり、皮膚がふやけて損傷しやすくなったりするため、乾いたタオルで押さえるように水分を拭き取ります。

片麻痺がある人を側臥位にするときは、患側の肩や上肢を圧迫せず、枕やクッションで支えます。背部を拭くために一律に患側を下にするのではなく、本人の麻痺、痛み、関節可動域、呼吸状態に合わせて、安全で安楽な体位を選びます。

ひっかけポイント
「皮膚を温めたままにするため、水分を残す」と考えないようにします。清拭後の水分は冷えと皮膚トラブルの原因になるため、乾いたタオルで拭き取ります。

介護実践でのポイント
清拭は皮膚を観察できる機会です。発赤、傷、乾燥、浮腫、痛みなどを確認し、異常があれば記録・報告します。本人の疲労や寒さを確認しながら、できる部分は本人に行ってもらいます。

選択肢の確認

1.清拭時は、窓を開けて行う。

誤りです。 窓を開けると室温が下がり、露出した身体が冷えやすくなります。窓や扉を閉めて室温を整え、必要な部分以外は覆って行います。

2.洗面器には、40℃程度のお湯を準備する。

誤りです。 湯はタオルに含ませて絞る間に冷めるため、40℃程度では皮膚に当てる時点でぬるくなりやすいです。一般に50〜55℃程度の湯を準備し、やけどを防ぐため必ず温度を確認します。

3.最初に、腹部から清拭する。

誤りです。 全身清拭は清潔な部分から汚れやすい部分へ進めることが基本で、一般には顔から始めます。腹部から始めるのは適切ではありません。

4.背部は、患側を下にした側臥位{そくがい}にして拭く。

誤りです。 患側を下にすると、麻痺側の肩や上肢を圧迫・損傷する危険があります。患側を上にして十分に支えるなど、本人の状態に応じた安全な体位を整えます。

5.蒸しタオルで拭いた後は、乾いたタオルで水分を拭き取る。

正しいです。 清拭後に残った水分を乾いたタオルで拭き取ることで、気化熱による冷えや皮膚の浸軟を防ぎます。

覚えるポイント

  • 全身清拭は、暖かい室内で露出を最小限にして行う。
  • 湯は冷めることを見込んで準備し、介護福祉職と本人の双方で温度を確認する。
  • 清潔な部分から汚れやすい部分へ拭き、最後に水分を十分に拭き取る。
  • 片麻痺のある人は、患側の肩や手足を圧迫せず、安全で安楽な体位を整える。
  • 発赤、傷、乾燥、浮腫、痛みなど、皮膚の状態も観察する。

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