37Q93|第37回 介護福祉士国家試験 過去問
次の記述のうち、下肢筋力が低下して介護を必要とする人の入浴に適した環境として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 5
正答
5.浴槽への出入りのために、水平および垂直の手すりを設置する。
この問題のポイント
下肢筋力が低下した人は、浴槽をまたぐ、立ち上がる、方向を変えるといった動作で転倒しやすくなります。浴室環境は、本人が支持物をつかみながら安全に一連の動作を行えるように整えます。
垂直手すりと水平手すりでは役割が異なるため、動作に合わせて組み合わせることが重要です。
解説
浴槽への出入りでは、立位を保つ、片脚を上げて浴槽の縁をまたぐ、重心を移動させる、浴槽内で立ち座りをするといった複数の動作が必要です。下肢筋力が低下していると、これらの動作中にバランスを崩す危険が高くなります。
垂直手すりは、立ち上がりや身体を上下に動かすとき、浴槽の縁をまたぐときの支持に役立ちます。水平手すりは、身体を横方向へ移動するときや、立位・座位の姿勢を保つときに役立ちます。両方を適切な位置に設置することで、浴槽への出入りを安定させられます。
手すりは、本人の身長、利き手、筋力、関節可動域、浴槽への入り方に合わせて位置と高さを決めます。単に設置すればよいのではなく、壁の強度を確認して確実に固定し、実際の動作で使いやすさを評価する必要があります。
高齢者向け住宅の設計では、浴室の出入口は引き戸または折れ戸とし、浴槽縁の高さは30〜50cmとする考え方があります。手すりに加えて、滑りにくい床、入浴用いす、浴槽台、バスボードなども本人の状態に応じて組み合わせます。
ひっかけポイント
浴槽の縁を低くしたり広くしたりすれば、常に安全になるわけではありません。浴槽の底との高低差やまたぐ距離、本人の動作方法まで考える必要があります。
介護実践でのポイント
手すりの位置は、介護者の都合ではなく本人の一連の動作を実際に確認して決めます。タオル掛けなどを手すり代わりに使用せず、ぐらつきや緩みがないか定期的に点検します。
選択肢の確認
1.浴室の入口は開き戸にする。
誤りです。 浴室内で転倒した人が扉の前に倒れると、内開き戸では外から救助しにくくなります。また、開閉時の身体移動も大きくなります。浴室の出入口は、引き戸や折れ戸など、動作空間を確保しやすい扉が適しています。
2.床から浴槽の縁までの高さは20cmにする。
誤りです。 浴槽縁が低すぎると、浴槽の底までの高低差が大きくなり、出入りや浴槽内からの立ち上がりが難しくなることがあります。本人の動作能力に合わせて設定します。
3.縦に長く、浅めの洋式の浴槽にする。
誤りです。 長い浴槽では足が浴槽壁に届かず、身体が前方へ滑って姿勢を保ちにくくなることがあります。浅いことだけで安全になるわけではなく、足底で身体を支えられる長さや、立ち座りしやすい深さを本人に合わせて選びます。
4.浴槽の縁の幅は20cmにする。
誤りです。 浴槽の縁を一律に20cmとすると、またぐ距離が長くなり、下肢筋力が低下した人には負担となることがあります。座位移乗が必要なら、本人に合ったバスボードや移乗台を選びます。
5.浴槽への出入りのために、水平および垂直の手すりを設置する。
正しいです。 垂直手すりは立ち上がりや浴槽をまたぐ動作を支え、水平手すりは横方向の移動や姿勢保持を支えます。両方を動作に合った位置へ設置することは、転倒予防と自立支援につながります。
覚えるポイント
- 浴槽への出入りには、立位保持、重心移動、またぎ、立ち座りの能力が必要である。
- 垂直手すりは立ち上がりやまたぎ、水平手すりは横移動や姿勢保持に役立つ。
- 浴室の入口は、引き戸や折れ戸が安全である。
- 浴槽の寸法や手すり位置は、本人の身体状況と動作方法に合わせる。
- 手すり、滑りにくい床、入浴用いす、浴槽台、バスボードなどを個別に組み合わせる。