37Q43第37回 介護福祉士国家試験 過去問

こころとからだのしくみ認知症の理解

次のうち、認知症(dementia)のリスクを高める要因として、最も適切なものを1つ選びなさい。

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正解: 3

正答

3.歯がなくなることによる咀嚼機能{そしゃくきのう}の低下

この問題のポイント

認知症のリスクを高める要因と、リスク低減に役立つ生活行動を区別する問題です。

歯の喪失によって噛む力が低下すると、食べられる食品が偏りやすくなり、低栄養、身体機能の低下、社会参加の減少などにつながることがあります。歯の喪失や咀嚼機能の低下は、認知症発症との関連が報告されている要因です。

解説

認知症の発症には、年齢、遺伝的要因、生活習慣病、身体活動、聴力、社会的孤立、口腔機能など、複数の要因が関係します。一つの要因だけで認知症になると決まるわけではありませんが、修正できる要因に早めに対応することは大切です。

歯が少なくなり、義歯などによる補いも十分でないと、咀嚼機能が低下します。その結果、硬い食品や多様な食品を避け、栄養が偏ることがあります。また、会食や外出を控えるなど、社会的なつながりにも影響する場合があります。口腔衛生、残存歯の保護、適切な義歯の使用、定期的な歯科受診によって、食べる機能を維持することが重要です。

身体活動や社会参加は、心身機能を保ち、認知機能低下のリスクを減らす方向に働くと考えられています。難聴そのものは認知症のリスク因子の一つですが、補聴器の使用は聞こえを補い、コミュニケーションや社会参加を支えるため、リスクを高める要因とはいえません。

不飽和脂肪酸は、魚や植物油などに含まれます。これを適量含むバランスのよい食事は、選択肢の中で認知症リスクを高める要因として扱うものではありません。

ひっかけポイント
「難聴」はリスク因子ですが、「難聴に対する補聴器の使用」は支援・対策です。原因となる状態と、その状態への対応を混同しないようにします。

介護実践でのポイント
食事量だけでなく、噛みにくさ、義歯の不具合、口腔内の痛み、食べられる食品の偏りを観察します。本人の好みを尊重しながら、歯科職、管理栄養士、看護職などと連携し、口腔機能と栄養状態を支えます。

選択肢の確認

1.身体活動
誤り。
適度な身体活動は、心血管の健康や身体機能を保ち、認知機能低下のリスクを減らす方向に働くと考えられています。無理のない運動を生活に取り入れることが大切です。

2.不飽和脂肪酸の摂取
誤り。
不飽和脂肪酸を適量含むバランスのよい食事は、この選択肢群では認知症リスクを高める要因ではありません。特定の食品だけに偏らず、全体の栄養バランスを整えます。

3.歯がなくなることによる咀嚼機能{そしゃくきのう}の低下
正答。最も適切です。
歯の喪失や咀嚼機能の低下は、食事内容、栄養、身体機能、社会参加に影響し、認知症発症との関連が報告されています。歯と口腔機能の維持が重要です。

4.難聴による補聴器の使用
誤り。
難聴は認知症のリスク因子ですが、補聴器の使用は聞こえを補い、会話や社会参加を支えるための対応です。補聴器を使用すること自体がリスクを高めるわけではありません。

5.ボランティア活動
誤り。
本人が希望して参加するボランティア活動は、役割、交流、身体・認知活動の機会となります。社会的孤立を防ぎ、認知機能の維持に役立つ可能性があります。

覚えるポイント

歯の喪失と咀嚼機能の低下は、認知症リスクとの関連が報告されています。

口腔機能の低下は、低栄養、フレイル、社会参加の減少にもつながります。

身体活動と社会参加は、リスク低減につながる生活行動として整理します。

難聴はリスク因子ですが、補聴器は聞こえと交流を支える対策です。

認知症は一つの原因で決まるものではなく、複数の要因を総合的に考えます。

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