37Q39|第37回 介護福祉士国家試験 過去問
次の記述のうち、2019年(令和元年)の認知症施策推進大綱に関する説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を見る
正解: 1
正答
1.「共生」と「予防」を車の両輪として施策を推進していく。
この問題のポイント
2019年(令和元年)に取りまとめられた認知症施策推進大綱の基本的な考え方を問う問題です。
本問は、後年の制度ではなく、2019年の大綱に記載された内容を基準に判断します。大綱では、認知症の人や家族の視点を重視し、「共生」と「予防」を車の両輪として施策を進めることが示されました。
解説
認知症施策推進大綱では、認知症の発症を遅らせ、認知症になっても希望をもって日常生活を送れる社会を目指し、「共生」と「予防」を車の両輪として施策を推進するとされました。したがって、選択肢1が適切です。
「共生」とは、認知症の人が尊厳と希望をもって認知症とともに生き、認知症があってもなくても同じ社会でともに暮らすという考え方です。
「予防」は、認知症に絶対にならないことを意味しません。認知症になる時期を遅らせることや、認知症になった後も進行を緩やかにすることを意味します。この定義を正確に覚える必要があります。
大綱では、具体的な施策を5つの柱に整理しました。柱は、普及啓発・本人発信支援、予防、医療・ケア・介護サービス・介護者への支援、認知症バリアフリーの推進・若年性認知症の人への支援・社会参加支援、研究開発・産業促進・国際展開です。
「認知症高齢者等にやさしい地域づくり」を進める7つの柱は、2015年の認知症施策推進総合戦略である新オレンジプランの内容です。2019年の大綱の5つの柱と混同しないようにします。
本人発信支援では、認知症の人自身が経験、希望、必要としていることを発信できるように支えることが重視されています。家族が本人の意思を一律に代弁することではありません。また、大綱では策定後3年を目途に進捗を確認するとされており、毎年ではありません。
ひっかけポイント
新オレンジプランは7つの柱、2019年の認知症施策推進大綱は5つの柱です。「予防」は認知症にならないことではなく、発症を遅らせ、進行を緩やかにすることです。
介護実践でのポイント
共生の実現には、認知症の人を支援されるだけの存在とみなさず、本人の希望、得意なこと、役割、地域とのつながりを尊重することが必要です。本人が理解しやすい情報と意思表示の機会を整え、本人の声を支援に反映します。
選択肢の確認
1.「共生」と「予防」を車の両輪として施策を推進していく。
正答。最も適切です。
2019年の認知症施策推進大綱の基本的な考え方です。認知症の人や家族の視点を重視し、共生と予防を一体的に進めます。
2.「予防」とは、「認知症(dementia)にならない」という意味である。
誤り。
大綱における予防は、認知症になる時期を遅らせることと、認知症になっても進行を緩やかにすることを意味します。認知症に絶対にならないという意味ではありません。
3.「認知症高齢者等にやさしい地域づくり」を推進する7つの柱が示された。
誤り。
7つの柱が示されたのは新オレンジプランです。2019年の認知症施策推進大綱では、具体的な施策が5つの柱に整理されています。
4.「普及啓発・本人発信支援」として、家族が積極的に本人の意思を代弁することが示された。
誤り。
本人発信支援は、認知症の人自身が経験や希望を発信できるように支えることです。家族の支援は重要ですが、本人の意思を確認せず家族が代わって決めることを示したものではありません。
5.策定後は、毎年施策の進捗を確認することが示された。
誤り。
大綱では、策定後3年を目途に施策の進捗を確認するとされました。毎年確認するとした記述ではありません。
覚えるポイント
2019年の認知症施策推進大綱は、「共生」と「予防」を車の両輪としています。
共生は、認知症があってもなくても、尊厳と希望をもって同じ社会で暮らすことです。
予防は、発症を遅らせ、発症後の進行を緩やかにすることです。
新オレンジプランは7つの柱、大綱は5つの柱です。
本人発信支援では、家族による一律の代弁ではなく、本人自身の声を社会や施策に反映します。
進捗確認は、策定後3年を目途とされています。