37Q124|第37回 介護福祉士国家試験 過去問
次の事例を読んで、問題123から問題125までについて答えなさい。 〔事 例〕 Gさん(38歳、女性)は、母親(65歳)と暮らしていた。両側性感音難聴(sensorineural hearing loss)があり、雑音がある場所では話を聞き取りにくい。相手の口の動きや表情から会話の内容を理解することはできる。Gさんは、脳梗塞(cerebral infarction)を発症し、左片麻痺{ひだりかたまひ}で車いすの生活となり、障害支援区分4と認定された。母親による介護が難しくなったため、障害者支援施設に入所することになった。 Gさんは、写真を撮ることが好きで、施設で近くの公園に出かけたときに、介護福祉職に手伝ってもらいながら好きな風景を撮影している。Gさんは、その写真をアルバムにして、母親にプレゼントしたいと考えている。 ある日、Gさんから、「アルバムを作りたい。飾りの付け方やメッセージの書き方を教えてほしい」と相談があった。介護福祉職は、Gさんとアルバムを作ることにした。 次のうち、Gさんの難聴の原因となっている損傷部位に該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 1
正答
1.内耳から聴神経
この問題のポイント
難聴を、音を内耳まで伝える部分の障害による「伝音難聴」と、音を電気信号に変えて脳へ伝える部分の障害による「感音難聴」に分けて考える問題です。
感音難聴は、主に内耳の蝸牛や、内耳から脳へ信号を送る聴神経が障害されて生じます。
解説
音は、まず耳介で集められ、外耳道を通って鼓膜を振動させます。鼓膜の振動は、中耳にある耳小骨を介して内耳の蝸牛へ伝えられます。
蝸牛では、音の振動が神経の電気信号に変換されます。その信号が聴神経を通って脳へ伝わることで、音や言葉として認識されます。
外耳や中耳に障害があり、音の振動を内耳へ十分に伝えられない状態を伝音難聴といいます。これに対し、内耳の蝸牛や聴神経などに障害がある状態を感音難聴といいます。
感音難聴では、音が小さく聞こえるだけでなく、音がひずむ、言葉を聞き分けにくい、雑音の中で会話を理解しにくいなどの特徴がみられることがあります。Gさんが雑音のある場所で話を聞き取りにくいという情報も、感音難聴の特徴と結びつきます。
Gさんは相手の口の動きや表情から会話を理解できます。そのため、支援では単に声量を上げるのではなく、静かな環境を整え、正面から顔や口元が見えるように話すことが大切です。
ひっかけポイント
外耳・中耳の障害は伝音難聴、内耳・聴神経の障害は感音難聴です。「音を伝える経路」と「音を神経信号へ変えて脳へ送る経路」を分けて覚えます。
介護実践でのポイント
聞こえ方には個人差があります。Gさんにとって聞き取りやすい距離、声の大きさ、照明、補聴器や筆談の使用などを本人に確認し、理解できたかを一つずつ確かめます。
選択肢の確認
1.内耳から聴神経
正答。最も適切です。
内耳の蝸牛は音の振動を電気信号に変え、聴神経はその信号を脳へ伝えます。この部分の障害によって感音難聴が生じます。
2.外耳道から中耳
誤り。
外耳道、鼓膜、耳小骨を含む中耳は、音の振動を内耳へ伝える部分です。この範囲の障害は、主に伝音難聴の原因になります。
3.耳介から中耳
誤り。
耳介から中耳までは、音を集めて内耳へ伝える外耳・中耳の経路です。この範囲の障害は、感音難聴ではなく伝音難聴と関係します。
4.耳介から外耳道
誤り。
耳介と外耳道は外耳に含まれ、音を集めて鼓膜へ導きます。この部分の障害は、主に伝音難聴の原因となります。
5.耳介
誤り。
耳介は音を集める外耳の一部です。耳介だけの損傷は、内耳や聴神経の障害による感音難聴の損傷部位には該当しません。
覚えるポイント
外耳は耳介と外耳道、中耳は鼓膜と耳小骨を中心とする部分です。
内耳の蝸牛は、音の振動を神経の電気信号へ変換します。
聴神経は、内耳で生じた信号を脳へ伝えます。
外耳・中耳の障害は伝音難聴、内耳・聴神経の障害は感音難聴です。
感音難聴では、雑音下での言葉の聞き分けが難しくなることがあるため、環境調整が重要です。