37Q125|第37回 介護福祉士国家試験 過去問
次の事例を読んで、問題123から問題125までについて答えなさい。 〔事 例〕 Gさん(38歳、女性)は、母親(65歳)と暮らしていた。両側性感音難聴(sensorineural hearing loss)があり、雑音がある場所では話を聞き取りにくい。相手の口の動きや表情から会話の内容を理解することはできる。Gさんは、脳梗塞(cerebral infarction)を発症し、左片麻痺{ひだりかたまひ}で車いすの生活となり、障害支援区分4と認定された。母親による介護が難しくなったため、障害者支援施設に入所することになった。 Gさんは、写真を撮ることが好きで、施設で近くの公園に出かけたときに、介護福祉職に手伝ってもらいながら好きな風景を撮影している。Gさんは、その写真をアルバムにして、母親にプレゼントしたいと考えている。 ある日、Gさんから、「アルバムを作りたい。飾りの付け方やメッセージの書き方を教えてほしい」と相談があった。介護福祉職は、Gさんとアルバムを作ることにした。 次の記述のうち、Gさんに介護福祉職がアルバムの作り方を説明するときに配慮することとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 5
正答
5.1対1で向かい合って話す。
この問題のポイント
Gさんの聞こえ方と、本人が利用できる視覚情報を事例から読み取り、説明環境を整える問題です。
Gさんは、雑音がある場所では聞き取りにくい一方、相手の口の動きや表情から会話を理解できます。したがって、静かな環境で1対1になり、正面から口元と表情が見えるように話すことが最も適切です。
解説
感音難聴では、音が小さく聞こえるだけでなく、言葉の聞き分けが難しくなることがあります。特に、複数の人が同時に話す場面や、音楽、テレビ、周囲の会話などの雑音がある環境では、必要な声だけを聞き取ることが難しくなります。
Gさんは、相手の口の動きや表情から会話の内容を理解できることが事例に明記されています。そのため、介護福祉職はGさんと向かい合い、自分の顔と口元が十分に見える位置で、明るさにも配慮して話します。
話しかける前にGさんの注意を引き、普通の大きさで、はっきり、ややゆっくりと短い文で説明します。大声で叫んだり、口の動きを過度に誇張したりすると、音がひずんだり、かえって口形を読み取りにくくなったりすることがあります。
アルバムの作り方は手順が複数あるため、見本、写真、実物、短い筆談なども活用できます。一度にすべてを説明せず、「写真を選ぶ」「配置を決める」「飾りをつける」「メッセージを書く」のように分け、各段階でGさんの理解と希望を確認します。
左片麻痺があることから、作業用具をどちら側へ置くと使いやすいか、紙を固定する必要があるかなども本人に確認します。ただし、左片麻痺があるからといって、コミュニケーション能力や理解力まで低いと決めつけてはいけません。
ひっかけポイント
難聴の人への対応は、単に声を大きくすることではありません。雑音を減らし、顔と口元を見えるようにし、本人が使いやすい視覚情報を加えることが重要です。
介護実践でのポイント
最初に「どの方法が一番わかりやすいですか」と本人へ確認します。補聴器、読話、筆談、写真や実物の提示などを組み合わせ、説明後は本人の言葉や実際の動作で理解を確かめます。
選択肢の確認
1.Gさんの左側に座る。
適切ではありません。
Gさんは両側性感音難聴であり、左側から話すことが聞き取りやすいという情報はありません。口の動きや表情を利用できるように、正面で向かい合うことが優先されます。
2.閉じられた質問を用いる。
適切ではありません。
閉じられた質問は、「はい」「いいえ」などで答えやすい利点がありますが、アルバムの飾り方やメッセージについてGさんの希望を十分に聞くには、それだけでは不十分です。難聴への中心的な配慮は、雑音を減らし、顔を見せてわかりやすく説明することです。
3.小さな声で話す。
適切ではありません。
小さな声は聞き取りにくさを強めます。大声で叫ぶ必要はありませんが、普通の大きさで、はっきりと話すことが適切です。
4.Gさんの好きな音楽を流す。
適切ではありません。
Gさんは雑音がある場所で話を聞き取りにくい状態です。音楽を流すと背景音が増え、説明を聞き分けにくくなる可能性があります。説明中は静かな環境を整えます。
5.1対1で向かい合って話す。
正答。最も適切です。
1対1で向かい合えば周囲の話し声を減らしやすく、Gさんは介護福祉職の口の動きや表情を確認できます。事例に示されたGさんの聞こえ方に合う対応です。
覚えるポイント
感音難聴では、雑音の中で言葉を聞き分けにくいことがあります。
説明するときは、静かな環境で1対1になり、正面から顔と口元を見せます。
普通の大きさの声で、はっきり、ややゆっくり、短い文で話します。
筆談、写真、実物、手順を示す見本など、本人が使いやすい視覚情報を組み合わせます。
本人に適した方法を確認し、障害名だけで理解力や希望を決めつけないことが大切です。